孫が「タンスに隠していた」札束を「破いて」遊んでいました……。破けた紙幣に紙幣としての効力はありますか?
急な出費に備えて自宅内にお金を貯める、いわゆるタンス預金をしている人もいるでしょう。 しかし、気をつけたいのがそのお金の管理です。目を離した隙に孫や子供がそのお札を見つけ、破いたり汚したりする可能性もゼロではありません。このように、誤って損傷したお札の価値はどうなるのでしょうか。 そこで、この記事では破けた紙幣の価値や、お札が破れた場合の対処法について解説します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
破れた紙幣はそのまま使えるの?価値はどうなる?
破れてしまったお札はどう扱うべきか困るものです。そこで、ここでは破れたお札は使えるのか、価値はどうなるのか説明します。 ●破れたお札はそのまま使えるの? なかには「破れたお札をコンビニやスーパーなどのレジで使いたい」と考える人もいるでしょう。しかし、破れたお札をそのまま使うことは避けたほうが無難です。なぜなら、会計で破れたお札を使えるとは限らないためです。破れたお札は店舗により、受け取ってもらえない場合があります。 また、自動販売機やATMなどで使用することもおすすめできません。破れたお札を使うと切れ目が引っかかるなど、機械が故障するリスクがあります。このように、破れたお札をそのまま使うとトラブルが発生する可能性があることを念頭に置きましょう。 ●破れた紙幣に価値はある? それでは、レジやATMなどで使用できない、破れたお札にはお金としての価値がなくなってしまうのでしょうか。実は、破れたお札は必ずしもその価値が失われるというわけではありません。 お札を発行する「日本銀行」ではこうした「損傷銀行券」における基準があります。法令等で定める基準に基づき、新しいお札に引き換えることが可能です。したがって、破れた紙幣はそのままにせず、交換することがおすすめです。
お札の交換基準とは?
破れたお札は日本銀行で新しいお札に交換できます。しかし、すべてのお札が交換できるわけではなく、状態によっては引換えが難しい場合もあるため注意が必要です。日本銀行の判断基準によると「お札の面積が3分の2以上の場合は全額として引換え」「面積が5分の2以上、3分の2未満の場合は半額として引換え」としています。 なお、「銀行券の紙片が2以上ある場合において、各紙片が同一の銀行券の紙片であると認められるときは、各紙片の面積を合計した面積をその券面の残存面積として、上記の基準を適用します」と示しています。 つまり、一定の面積が残っているお札が交換対象であり、その残存面積によって交換できる金額が変わるということです。たとえば、お札の端が少しだけ破けている場合などは、元の金額と同じ紙幣と引換えできる可能性が高くなります。 一方、お札が半分に破けて片方を紛失している場合、交換できるのは半額となるでしょう。また、上記の条件を満たさず「面積が5分の2未満の場合は銀行券としての価値は無く失効」とされています。まずは交換できる状態か、手元のお札を確認してみましょう。