【ラランド・サーヤ】“女芸人“というくくりが気持ち悪い!「女の子なんだから、そんなこと言わなくていい」MCクラスの人からもよく言われます
大学在学中にニシダさんと『ラランド』を結成。新卒で広告代理店に就職し、会社員と芸人の二足の草鞋で活動を始めたサーヤさん。大手事務所には所属せず、2021年に自らを代表取締役とする個人事務所を設立。 今や多方面で才能を発揮し、同業者からも一目置かれる存在ですが、デビュー当時はその異色の経歴を理由に色眼鏡で見られることも多く、心細さを感じていたそう。今回は、そんなサーヤさんに偏見や差別発言など、モヤる人への対処法を教えてもらいました。 【ラランド・サーヤ】前置きされるようにはなったけど…価値観が変わった人はいない。
“女芸人”というくくりが気持ち悪い
―サーヤさんがテレビに出始めた頃、「女芸人」や「個人事務所」と特別視されたことが多かったように思います。カテゴライズされることからどうやって抜け出したのでしょう? 単純にそういうオファーを断るようになりました。最初は、肩書きをフィーチャーされる番組や取材が多くて。“会社員と二足のわらじ芸人”とか“女芸人”、“第7世代”、“第7.5世代”とか、いろいろな肩書きで持ち上げてくれる分、中身を見てもらえないことが続きました。自分たちが面白いとかどうこうじゃなくて、その枠組みばかり注目される時期が長かったんです。その時期は、なんか寂しいなとは思っていました。相方も大学生だったし、“異色の”とか“男女の”みたいなことだけで見られることも続いて。中身見てくれないな、なんかつまんないなと。 “女芸人”のくくりって、今でもめっちゃ気持ち悪いと思っているんですけど、会社を設立した当初は、とにかくオファーが来た仕事は、一回全部請けてみようと決めていたので「女芸人、新旧対決!!」みたいな企画も、テレビに出るために請けていました。 本当にさっさと、“女芸人”という言葉自体が死語になるべき! 看護婦は“看護師”に変換されてるのに、“女芸人”って頑なに変えないんですよね。
「これ言ったらダメなんでしょ」前置きされるようにはなったけど…
―業界的に、価値観の古い人と接する機会は多いものでしょうか? 頻繁にあります。「女の子なんだから、そんなこと言わなくていい」とか、MCクラスの人と打ち上げしていてもよく言われるし。ほのかに女性蔑視ニュアンスを持っている人がほとんどだと思います。上の世代ってLGBTに対しても、「何それ?」ってタイプの人も多いですし……。 「サーヤは体張らないよね。“女芸人”なのに」と言われたこともありました。未だに似たようなイジりはありますけど、最近はもう、イジる側も「言いづらいな」って顔してますよ(笑)。 「今、こんなん言ったらダメなんでしょ」「時代的には違うのは分かってるけど……」「テレビ的にはもうアウトだけど……」っていう前置きありでイジるみたいな。 ただ心底、価値観が変わった人はいない感じがしますね。そこは世代によるところも大きいと思います。逆の立場で考えると、もし自分がそういう考えが当たり前の時代やコミュニティで過ごしていたり、正しい知識を学べる機会がなかったりしたら、そういう大人になっていたんだろうなとも思うんです。私はたまたまラッキーだっただけ。大学の授業で多様な知識を学べる機会があったり、友達にもそういう価値観の子が多かったりするから、ナチュラルに俯瞰で見れているのかなと思います。 なので「価値観が古い」って、ある意味しょうがないなという思いも半分あります。知識がないだけだろうし、それを学ぶ機会がなかったのかもなって。私も年齢を重ねた時に、若い世代の子が見たことも聞いたこともない価値観を話しだしたら、最初はびっくり!から入ると思うから。今、感じているこのズレは、そういうことなのかなと思います。