日経平均は一時500円超高、円安や大手銀行決算を好感-GDP堅調も
(ブルームバーグ): 15日の東京株式相場は反発し、日経平均株価の上げ幅は一時500円を超えた。米国の大幅利下げ観測の後退で為替市場で円安が進み、自動車や電機など輸出関連株が高い。純利益計画の上方修正や自社株買いの発表が好感されたみずほフィナンシャルグループやかんぽ生命保険が急伸するなど、銀行や保険株も上昇。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、最近の米経済が目覚ましく良好に推移し、利下げを急ぐ必要はないとの見解を示した。米金利の上昇を受け円相場は対ドルで一時156円75銭と7月以来の安値を更新。その後加藤勝信財務相のけん制発言もあり、やや円安の勢いは鈍っている。
取引開始前に内閣府が発表した7-9月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率0.9%増と2四半期連続のプラス成長となり、市場予想の0.7%増を上回った。個人消費が増加し、国内景気の緩やかな回復を確認した。
TOPIXを構成する2128銘柄中、上昇は1279、下落は715。売買代金上位ではディスコやみずほFG、IHI、キーエンス、かんぽ生が上げ、香港のヘッジファンドであるオアシス・マネジメントの株式保有観測が広がった日産自動車も高い。半面、第3四半期利益が予想を下回ったアサヒグループホールディングスは安い。
SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は、円安は最終的に日本企業の業績にとってプラスで、上昇している主な銘柄は自動車産業が中心だと述べた。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフ・マーケット・ストラテジストは、156円台まで円安が進んだことや時価総額の大きいメガバンクの決算が好感されたと指摘。中間決算全体として企業業績はあまり芳しくなかったため、円安に連動して株高になりにくかった側面があると話していた。
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Aya Wagatsuma, Yasutaka Tamura