再戦勝てる?!村田諒太のWBA王座奪回計画を敵陣営が警戒
世界有数のプロモーターとして数々のビッグファイトを手掛けてきた本田会長は、「気持ち、メンタルの勝負になる。ほんの数センチ、前へいけるかどうか。男・村田を見せられるかどうかだね、極端にいえば、ノーガードでいかなくちゃいけない場面も出てくるのかもしれない。何しろ、前回は、村田は最低のコンディションだった。ただパンチを避けるだけだった。相手は手を出せば避けるんだから1200発もパンチを出せた。でも今回の村田にそれはない。ブラントは、真面目すぎるほど真面目なボクサー。舐めてくることはないだろう。村田は、間違いなく前回より良くなっているが、相手も前回を下回ることはないと思う。では、今回はどちらが上回るか、私は、ここまでの練習を見る限り、村田が、上回っていると見ている。いずれしろ面白い試合になりますよ」と、村田の内なる戦いに期待を寄せた。 これまでスパーリングを公開しなかったが、アメリカから呼んだ4人の強豪パートナーとのスパーでは何度も「試合なら倒している」という場面があったという。 村田も「前回は最悪のパフォーマンスだった。あれより下はない。前回みたいなことにならない」という。本田会長の言う「気持ち勝負」であることも理解している。 負けたら引退。後のない崖っぷちマッチなのだ。 「次が最後になるかもしれないし、その次があるかもしれない。予測するだけ無駄。大学時代に北京五輪に出れなくて引退し、大学職員をして、たまたま復帰してロンドン五輪に出られた(金メダル)が、未来を予想して作ったわけじゃない。ひとつひとつの出来事をたままた積み重ねただけ。未来への悲観的予測、楽観的予測は意味がないこと。今を一生懸命生やるだけなんです」 村田は、独特の世界観を一席ぶって、こう続けた。 「勝ちたい。リベンジしたい。その気持ちだけ。悔しい思いをしている。ぶん殴って倒してやりたい。そんな気持ちがある。ベストの自分を見せる」 ここまで何人かの元世界王者に、この試合の勝敗予想を聞いてきたが、「厳しい試合になるのでは」という見方が大半だった。それはそうだろう。前回の試合を見れば、ブラントが同じように手数とステップワークでポイントアウトを重ねていき、逃げ切るというパターンの想像は容易だ。だが、村田は、その予想を覆す可能性のある勝利ビジョンを包み隠さず見せた。筆者の予想記事は、また別の機会に書くが、大阪で壮絶な激闘の末にハッピーエンドが待っている予感がしてきた。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)