KADOKAWAがストップ安売り気配、ソニーGとの協議は追加出資で決着
Noriyuki Hirata [東京 20日 ロイター] - KADOKAWAがストップ安水準で売り気配となっている。ソニーグループが19日、同社に追加出資し、約10%の株式を保有する筆頭株主になると発表し、手がかりになっている。当初はソニーGによる買収を含め検討を進めたが、資本業務提携で決着した。 市場では「株式公開買い付け(TOB)によるプレミアムを期待した買いが入っていたが、その思惑が後退した」(東洋証券の安田秀樹シニアアナリスト)との声がある。 ソニーGにとっては、買収する場合と異なり、アニメの配信権を得るなどの大きな変化は見込まれないが、ビジネス上の協力関係を築きやすくなるほか、買収に向けた資金を別の案件に振り向ける余地が残ったとの受け止めが出ている。ソニーG株は一時2%超高の3342円に上昇した。 KADOKAWAにとっても「資金を得て経営基盤が強まり、新ビジネスへの取り組みも進められ、悪い話ではないだろう」(東洋証券の安田氏)との見方がある。 ソニーGは、KADOKAWAが2025年1月7日に実施する第三者割当増資を1株4146円で引き受ける。総額は約500億円。持ち株比率は9月末時点の2.01%から9.68%に、議決権比率は2.10%から10.11%に上がる。現時点でKADOKAWA株を追加取得する予定はないとしている。