水田湛水事業の拡充に2500万円追加 熊本市 協力農家への助成金引き上げ
熊本市は11月29日開会の定例市議会に提出した2024年度一般会計補正予算案に、白川中流域(大津町、菊陽町、熊本市東部)の水田湛水[たんすい]事業の拡充経費として2500万円を盛り込んだ。農地に水を張って地下水涵養[かんよう]に協力する農家に支払う助成金の引き上げに対応した措置。 中流域一帯では半導体関連企業の集積が進み、地下水量の減少が懸念されている。3市町とJAなどでつくる湛水事業の推進組織「水循環型営農推進協議会」は協力農家を増やそうと24年度、助成金の対象期間や単価を引き上げた。 湛水事業の財源は市と流域の企業5社が負担。市は当初予算に6590万円を計上しており、補正を含めた総額は9090万円となる。協力農家の増加により、湛水面積は当初見込みの460ヘクタールから本年度末に588ヘクタールとなる見通し。涵養量は過去最大の1940万立方メートル(前年度比1・6倍)を見込んでいる。(上村彩綾)