地域の伝統芸能15年で8割減少、いずれ演者も裏方もいなくなる…ふるさとの文化を未来へつなぐため、今何をなすべきか 現状打開へさつま町が有識者検討委設置
鹿児島県さつま町内の郷土芸能存続に向け、保存会や有識者が意見を交わす「町郷土芸能伝承検討委員会」の初会合が、同町の宮之城文化センターであった。参加者は県内各地と同様に少子高齢化で担い手不足が続く現状を共有し、参加枠を拡大した事例などが報告された。 【写真】軽快な動きで観客を沸かせる兵児踊り=さつま町中津川の大石神社
町教育委員会が1月に実施した郷土芸能の活動状況調査では、2009年に活動中とした町内62団体のうち、現在も続けているのは14団体と2割強にとどまった。現状打開に向け検討委を設置。市町村単位で対応策を協議する場は珍しい。 12日の初会合では鹿児島純心大学の小島摩文教授(民俗学)を会長に選び、15の保存団体関係者が現状報告。新型コロナウイルス禍で行事の中止が続いた、踊り手に加え、道具や衣装を準備する裏方も減り「継続は難しい」との声が上がった。 現状を踏まえ、活動継続に向けて行政に求める具体的な支援内容、地域外の人や女性の参加に対する反応などについて、住民の意見を集約し次回会合で報告することを確認した。 委員の山下真嗣・二渡太鼓踊り保存会長(38)は「担い手不足で毎年、今回が最後といいながら続けているのが現状。知恵を借りて存続に向けた道筋を探りたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
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