【密着】「コウタグシケン」ができるまで 優しさとユーモア溢れるニットに込めた思い
「コウタグシケン(KOTA GUSHIKEN)」は、“knitwear for human beings.”をコンセプトに、国籍も肌の色もバックグラウンドもセクシャリティーも関係なく、老若男女全ての人に向けたニットを手掛けるニットブランドだ。デザイナーの具志堅幸太は、東京都と日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)主催の「東京ファッションアワード 2024(TOKYO FASHION AWARD 2024)」を23年に受賞し、今年3月の「楽天 ファッション ウィーク東京」でブランド初のショーを開催した。ショーには芸人の又吉直樹と好井まさお、アーティストの酩酊麻痺が出演し、コントとライブパフォーマンスという異例のコレクション発表で観客を沸かせた。「WWDJAPAN」は当日の舞台裏に密着し、ショー後にはアトリエでデザイナーの学生時代を振り返りながら、クリエイションの真髄に迫った。 【画像】【密着】「コウタグシケン」ができるまで 優しさとユーモア溢れるニットに込めた思い
ニットに目覚めたセントマ時代
WWDJAPAN(以下、WWD):ファッションに興味を持ったきっかけは?
具志堅幸太デザイナー(以下、具志堅):僕の最初の記憶では幼稚園のころ。それまでは母親が選んでくれた服を着ていたのが、ある日「この服は着たくない。今日から自分で選ぶ」と母に伝えたことを覚えている。そのころから好きな服を好きなようにスタイリングしたいというこだわりを持っていた気がする。小学生時代はスポーツに夢中で、中学受験して進学したものの、この先の自分の人生が、大学に入って、いい会社に就職して……と透けて見えた気がして。高校生のころに体調を崩して何度か入院し、時間が存分にあったので将来についていろいろ考えるうちに、自分の好きなファッションに挑戦してみようと思い立った。
WWD:ファッションを学んだのはいつから?
具志堅:高校3年の1年間、バンタンハイスクールに毎週日曜日に通った。アルミホイルでスカートを作るなど、頭の中で思い描いたものを表現する面白さを初めて知り、デザイナーになりたいと思った。