阪神ドラ1・下村 「長く活躍できる選択」「絶対早い方」先輩たちの言葉でトミー・ジョン手術決断 装具着けた姿で明かす
10日に右肘内側側副靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、11日に退院した阪神のドラフト1位・下村海翔投手(22)=青学大=が12日、鳴尾浜で手術後初めて取材に応じ「この決断を今後、いいものだったと言えるように一生懸命取り組みたい」と話した。 右腕に装具を着けた姿が術後の痛々しさを物語っていた。下村は入団当初から肘の痛みは「ゼロではなかった」と明かした。春季キャンプでは慎重に調整を進め、ブルペン入りは2月10日に立ち投げで20球を投じた1度だけ。「今のうちに不安を取り除きたい」と手術に踏み切った。 先輩の言葉も決断を後押しした。岩崎から「今は無理する時期じゃない。5年、10年、長く活躍できる選択をした方がいい」と助言を授かった。阪神では才木や島本が同じ手術を乗り越えた。才木からは「やって後悔はない。やるなら絶対早い方がいい」と背中を押された。「そういう人がいるから思い切って決断できた」と語った。 実戦復帰まで才木は約1年3カ月、島本は約1年半を要した。今後はトレーナーと相談しながらリハビリを進めるが、「先のことは正直見えない」と心境を吐露した。大学1年だった20年12月にも右肘のクリーニング手術と軟骨再生手術を受け、1年以上のリハビリを経験した。苦難の道を歩む覚悟はできている。「恩返しではないが、レベルアップして戻ってきたい」。その日を虎党は待っている。