長谷部誠34歳「謝る必要なんてないです!」物議の“ロシアW杯ボール回し”翌日、西野朗をさえぎり…日本代表が受け継ぐ“長谷部イズム”とは
40歳で引退を決断した長谷部誠。彼を語るに欠かせないのは日本代表での日々だ。そのリーダーシップはどのようにして育まれてきたか。ドイツ時代を含めて長年取材した記者が見た、様々な選手・指揮官との関係性とは。(NumberWeb引退記念ノンフィクション/初回から読む) 【写真】「長谷部が泣き崩れた…」娘&息子との感動的ハグ。妻・佐藤ありささんや西野監督に“神対応”、懐かしの“茶髪ロン毛時代”も…長谷部誠の軌跡を写真で見る こんな長谷部誠は見たことがない。 ロシアW杯に挑む、当時34歳の長谷部の振る舞いからはそう感じられた。 それ以前は、自分がキャプテンとして特別に目立つことがないようにと振る舞ってきた。それがキャプテンを託された人間としてスマートだという美意識もあっただろう。
後悔したくないので、どんどん西野監督の部屋に…
ただ、ロシアW杯では違った。 「後悔だけはしたくない」 何度も口にした「後悔」というフレーズについて長谷部はこう説明している。 「これまでの2大会は、勇気が足りなかった部分もあって。そういう部分で悔いの残る戦いをしていたところがあったので……」 ロシアの地の長谷部からはスマートさよりもパッションが、美徳よりも必死さがあふれ出ていた。 「監督の西野さんは、もともと選手とそこまで話す感じの監督ではないと聞いていたんですよ。でも、僕は後悔したくないので、どんどん監督の部屋に行って、色々な話をして……」 盟友である川島永嗣も、大会後に出した著書『耐心力』でこう記している。 〈マコの代表引退については、なんとなく感じていた。本人には聞かなかったし、根拠もなかった。(中略)今回のW杯中は、それにプラスして彼自身が一生後悔しない選択をしようとしているようにも見えた。いつもと少し違う雰囲気があった〉 日本サッカー協会の前会長である田嶋幸三が著書『批判覚悟のリーダーシップ』で記しているように、選手たちから監督との決定的な「深い溝」があると伝えられたことを契機に、ハリルホジッチ監督の解任がW杯初戦の約2カ月半前に決まった。これに伴い急きょ就任した西野朗のもと、準備できるのは3つの親善試合しかなかった。 そんな緊急事態で選手たちも責任を背負い、その気迫は我々取材陣にも伝わってきた。
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