Night Tempo「もっと面白い音楽を作り出していきたい」韓国から日本へ
さまざまなつながりをテーマにした最新アルバム
――2024年9月18日にニューアルバム『Connection』を配信、10月23日にはCDとしてもリリースされます。 いままでずっと走ってきたので、今回は少し落ち着こうと思って、2020年に発売した『Concentration』というアルバムの続きとなるローファイ・アルバムの第2弾を作りました。恋人や奥さんとの恋や愛、日本と韓国の関係といった文化、そして時代といったさまざまなつながりをテーマにしています。 ――今作のゲストには南野陽子さん、広末涼子さん、土岐麻子さん、竹内美宥さん、中園亜美さんが参加されています。みなさんNight Tempoさんからのオファーですか? そうです。南野陽子さんはある番組の共演以来仲良くさせていただいていて、陽子さんの声は昔と全然変わっていないので、当時を現在に持ってきてくださっているという意味でも、時代のつながりを感じられるはずです。広末涼子さんも初期の感情表現が変わっていないですし、曲としても表現してみたいものがありました。土岐さんはラジオがきっかけで仲良くなったり、竹内美代さんは以前韓国で活動されていた頃からのご縁だったり。中園さんは以前ライブで演奏している姿が印象に残っていて、年齢も一緒ということもありお声をかけさせていただきました。 ――8月21日にはアルバムからの先行シングル「Lil Bit (feat.土岐麻子)」が配信されました。この曲はどのように形作っていきましたか。 この曲は前に作っていた作品に収録する予定だったものの、いろいろあって入れなかったのですが、今回のコンセプトに合うので、ニューアルバムに収録しようということに。土岐さんも、あらためてこの曲を聴いたら、すごくいい曲だから今回やってみたいと言ってくれました。 ――16曲が収録されていますが、選曲の基準は? まず何十曲も曲を書き、そのなかでも今回のテーマにフィットしている曲を16曲選びました。歌ものや、キープしていた好きな曲、前からやってみたかったナレーションのものなどを取り入れています。インストの曲は、僕が日本で初めてDJをやってから仲の良いギタリストとベーシストの友達に参加してもらいました。 ――アルバムにゲスト参加する女性歌手のかたの決め手は? 雰囲気と人柄と実力です。たとえば当時のアイドルのかたは、ご本人は「歌はヘタだよ」と言うんですが、いま聴いてもみなさんうまいんですよ。そもそも当時といまではアイドルの基準が違う。いまはネットに誰もが気軽に活動をアップして、「私はアイドルです」と言えばそれだけで表面上はアイドルになれる時代で、プロになるハードルが低い。だけど当時は全国区でいろんな人と競争して勝ち上がっていかないとデビューできないから、プロになるハードルが高い。生き残った人だけが出てきているから、みなさん実力があるんです。 ――そんな歌手のかたも参加された今作は多彩な内容ですが、Night Tempoさんはいつもどんなふうに曲作りをされていますか。 人によってインスピレーションが浮かんでから作る場合もあると思いますが、僕はもともとサラリーマンだったから、まず椅子に座って「作るぞ!」と作っていきます。作り続けているうちに、「これはいい」と感じる曲がたくさんできるときもあるので、それをピックアップして、発表できる状態まで仕上げていきます。スケッチはいっぱいありますよ。 ――アルバムの発売後は、11月10日に東京のBillboard Live、11月23日に大阪のBillboard Liveでレコ発ライブがありますね。 はい。その前に、9月からアメリカにDJツアーに行ってから、11月は東京と大阪でライブをします。ただ、今回のアルバムは、ちゃんと1枚を聴いてもらわないと世界観がわからないところも多いんですよね。1曲や2曲だけを売るために作るなら配信だけでもいいかもしれませんが、配信もして、CDとしてもリリースして、LPとカセットも香港のレーベルからリリースがあります。ぜひアルバムを1枚聴いてきてからライブに来てもらえると、作り手側としてはうれしいです。