ファナック、連結営業益予想を上方修正 ロボット在庫は年内に正常化
Ritsuko Shimizu [東京 25日 ロイター] - ファナックは25日、2025年3月期の連結営業利益予想を1430億円から1508億円(前年比6.3%増)に上方修正した。在庫の減少や円高により未実現利益の影響が利益を押し上げた。ロボットの在庫調整も進んでおり、年内には正常化しそうだとの見通しを示した。 7―9月期の連結売上高は前四半期比1.1%減の1929億円、営業利益は同29.3%増の426億円となった。 主力のファクトリーオートメーション(FA)が中国を除くアジアや国内向けに好調だったものの、ロボットの売上高は同6.1%減となった。受注もロボットは同15.5%減と落ち込んでいる。山口賢治社長は会見で「4―6月期にアジアで大口の受注があったが、それがなくなった」と説明した。このほか、電気自動車(EV)向けの先送りや米大統領選挙終了までの投資見送りなども影響している。ただ、山口社長は「在庫調整は進んできた。年内には在庫は正常化しそうだ」とし、「10月以降、受注は増加しそうだ」との見通しを示した。 10月―25年3月(下期)の想定為替レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円。通期の業績予想の前提為替レートも、1ドル=143.82円(前回予想147.72円・前期実績144.62円)、1ユーロ=157.97円(同158.22円・156.80円)と、前回予想に比べて円高方向に修正している。 IBESがまとめたアナリスト19人のコンセンサス予想の平均値は1481億円だった。 24年4―9月期の連結業績は減収増益となったが、売上高・営業利益ともに前回会社予想をクリアした。 *会社発表の決算要旨は以下でご覧いただけます。https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241022500956.pdf