世界最大の資産運用会社ブラックロック、2025年の米国株に対してさらに強気に(海外)
ブラックロックは、AIの潜在的な利益を理由に挙げて、2025年のアメリカ株を「オーバーウェイト(買い)」に引き上げた。 【全画像をみる】世界最大の資産運用会社ブラックロック、2025年の米国株に対してさらに強気に トランプ新政権下での減税や規制緩和が、経済成長を促進する可能性もある。 ブラックロックの見通しは、バンク・オブ・アメリカが最近推奨した「海外株に投資すべき」という意見とは対照的だ。 世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)のマネージャーは、来る2025年に向け、「アメリカ株に対して強気の見通しを持つには遅すぎることはない」と話している。 新年に向けた見通しの中で、ブラックロックはアメリカ株の評価を「オーバーウェイト」に引き上げており、S&P500が過去最高値を記録しているにもかかわらず、以前の予測よりもさらに強気になっている。 同社は以前、「ニュートラル(中立的な評価)」より「+1」の強気の評価をつけていたが、現在はさらに引き上げた「+2」の評価をつけている。ちなみに最も強気な評価は「+3」だが、それには至っていない。 ブラックロックがアメリカ株に対して「リスクを取る姿勢」を維持するのは、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のストラテジストであるマイケル・ハートネット(Michael Hartnett)とは対照的なものだ。ハートネットは、アメリカ市場はこれまで他国に比べて経済的に特別な優位性を持っていたが、それが終わってしまう恐れから、「2025年には海外株に投資するべきだ」と2024年11月末に述べている。 しかし、ブラックロックはそうではないという。 「アメリカ株は世界の他の市場を一貫して上回り続けている」と、ブラックロックの投資研究所(Investment Institute)は、2025年の見通しの中で述べている。 「この傾向は続く可能性があると考えている」 ブラックロックがアメリカ株式市場のラリー(上昇基調)が続くと見込む根拠は、人工知能(AI)のような「メガフォース(巨大な駆動要因)」が、アメリカ企業に特に大きな恩恵をもたらすと信じていることにある。このような技術革新は、アメリカ企業がグローバル競争において優位性を維持する要因として位置づけられている。 「AIというメガフォースは、アメリカ株により多くの恩恵をもたらすと考えている。そのため、特にヨーロッパ株のような国際市場と比較して、アメリカ株をオーバーウェイトとしている」とブラックロックは述べている。 ブラックロックは、新たに誕生するドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下での減税の可能性や規制緩和が、経済成長を引き続き、後押しすると考えている。 アメリカ株市場の投資家が抱える主な懸念は、株価収益率(PER)のような指標で見ると、現在の株価が過去最高水準に達している点である。 しかしながらブラックロックは、アメリカ経済の構造は過去とは異なっており、製造業よりもテクノロジーやサービス業が中心となっているためこの懸念は重要ではないと指摘している。
Matthew Fox