透明人間の技術が実現? 食用色素で生体組織の透明化に成功
1世紀以上前のSFの世界が現実に
今回の研究手法は、ハーバート・ジョージ・ウェルズが1897年に出版したSF小説『透明人間』で主人公が開発した技術とびっくりするほど似ているそうですよ。 小説では、体内の細胞の屈折率を周辺の空気と一致させることで、主人公は透明人間になりました。不可逆的で二度と元に戻れませんでしたけど。 Rowlands氏とGorecki氏は、こう付け加えています。 組織内における光の散乱の抑制は、魔法のトリックではありません。ほとんどの場合、それは生体深部の工学的画像にとって最大の障害になります。そのため、この技術は生物学や医学の分野で非常に幅広い関心を集めています。 トップ画像のイラストには、半透明になった人間の手が描かれていますが、まだ人体での実験は行なわれていません。研究チームによれば、この方法は非侵襲性で可逆的だそうですが、それでも自宅で試しちゃダメ、ぜったい。まあ、試しても成功しないと思われますが…。 19世紀のSF小説で描かれた世界の技術が、21世紀のリアルな世界で医療技術を大きく変える可能性があるなんて、タイムマシーンで過去に戻ってハーバート・ジョージ・ウェルズに教えたら、どんなリアクションをするでしょうね。
Kenji P. Miyajima