核融合発電実現へPR 量子線利活用協 茨城県内企業が製品紹介 那珂・量研機構
核融合ビジネスへの参入を促そうと、いばらき量子線利活用協議会は7日、茨城県那珂市向山の量子科学技術研究開発機構那珂フュージョン科学技術研究所で、同県内企業とのマッチングイベントを開いた。同協議会に加入する18社が、同研究所の研究者に自社の技術力をアピールした。 同研究所担当者が、フランスで建設が進む国際熱核融合実験炉(ITER)の進捗(しんちょく)状況などを説明。ITERの機器製作のため、桁違いの熱や放射線負荷に耐えられる材料のほか、高度な設計、製作技術などを求めているとした。 会場には金属加工やシステム開発などの企業18社が、各ブースで自社の製品や技術力を紹介するパネルを展示。同研究所の研究者約100人は、各ブースで各社担当者に製品の特徴などを積極的に質問していた。 金属加工の小林製作所(同県ひたちなか市)の担当者は「難しい案件でも対応できる技術力がある。金属加工を通して核融合に貢献したい」と話した。 このほか、昨年、核融合反応に必要なプラズマ生成に成功した核融合実験装置「JT-60SA」などの施設見学も行われた。 同研究所の花田磨砂也所長は「多くの企業に核融合に興味を持ってほしい。民間の力を借りながら、核融合エネルギーの実現を目指したい」と話した。 核融合発電は、原子同士をぶつけて融合させ、放出されるエネルギーを電力に変換する仕組み。二酸化炭素を排出せず、燃料の重水素は海水から無尽蔵に取り出せる。エネルギー問題と地球環境問題の解決を目指すとしている。
茨城新聞社