いまさら人に聞けない"肩こり"の基礎知識
Q.ちなみに、肩こりになりやすい人など、個人差はありますか? 「骨格や筋肉のつき方という遺伝的要素はあるかもしれませんが、多くは普段の姿勢とか、筋トレやストレッチの有無に左右されると思います。 また、明確なデータがあるわけではありませんが、女性のほうが肩こりは多い印象があります。それは体を支える筋肉が男性に比べて弱いという体格の問題もありますね。 とはいえ、きゃしゃな人が絶対に肩こりになるかというとそうではない。一番は普段の姿勢の問題だと思います」 Q.肩がこりすぎて、目の奥まで痛いという話も聞きます。関連はあるのでしょうか? 「よく、肩こりの人は眼精疲労を起こしやすいというのですが、肩こりだから眼精疲労になるというよりは、眼精疲労になる人ってデスクワークでずっと同じ画面を見続けていたりしますよね。当然そういう人は眼精疲労になりやすいし、姿勢が良くない人も多いので、肩こりにもなりやすいというわけです」 Q.同じように、肩こりがひどい人は頭痛も起こり、吐き気まで催すと聞きますが。 「首の後ろの筋肉がこって固くなり、それに伴って頭痛が起きる緊張性頭痛というものでしょう。筋肉の過緊張によって痛みが出てくるものです。その頭痛によって吐き気が引き起こされているのだと思います。 また、ごくまれにですが、脳に病気が潜んでいて、頭痛や吐き気がして首のほうに痛みが出る場合があります。今まで経験したことがないほどの頭痛が急激に出た場合には、くも膜下出血など危険な疾患のサインのこともあるので、病院を受診しましょう」 Q.ちなみに、四十肩や五十肩って肩こりとは違うのでしょうか? 「肩こりとは全然違います。筋肉ではなく、関節の炎症です。肩関節の腱板が炎症を起こして、関節包まで広がったものです。炎症によって癒着が起き、肩が動かしづらくなるんです。 最初は動かしただけで痛くて、それがしばらくすると、痛みは減るけど可動域が狭くなる。1年ほどかかって、だんだんと動かせるようになっていきます」 Q.では、四十肩や五十肩の原因は? 「正確にはわかっていませんが、経年劣化による筋肉のこわばりや、炎症による影響が大きいといわれています。何十年も使い続けているわけですから。 よく、膝の寿命も40年くらいといわれています。関節は寿命があるので、いつかガタがくるんです。ただ、普段からきちんと肩のストレッチをしている人はなりにくいこともありますので、病院などで正しい肩のストレッチを習うことをオススメします」