自分しか知らなかった推しが突然有名に… 遠い存在になっていく推しへの葛藤の中で、本当の“推し活”とは何かを問いかける作品に「生々しくてグッときた」の声【作者インタビュー】
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、くらげバンチに全3話掲載された、もぐこんさん作『推しの肌が荒れた』。 【漫画】描いた絵がバズり、推しが一躍スターに… うれしいはずなのに感じる孤独と、推すことへの葛藤を描いた作品に「いや、めちゃくちゃわかる」と共感の嵐 作者のもぐこんさんが11月4日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1.1万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・もぐこんさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。 ■推しを応援したい、それだけだったのに… 絵を描くことが大好きな高校生・マユは、ひっそりと推している新人アイドル・真鈴ちゃんに夢中だった。そんなある日、推し活の一環で描いた絵がバズったことで、日常が一変する。 実力もあり、かわいい真鈴ちゃんが、世間に見つかるのは当然早かった。絵がバズった1ヶ月後には、人気沸騰中のアイドルとして一躍有名人となったのだ。「真鈴ちゃんを応援したい」その一心で推し活をしていたマユだったが、推しが急に大ブレイクすると、喜びだけではない複雑な感情が芽生え始める。 「なんであんまりうれしくないんだろう」 自分だけが知っていた推しの魅力が、急に世間に広まることへの戸惑い。人気の波に乗るように描いていた自分の絵が本当に“応援”になっているのかという疑問。自分の推し活が本当にこれでいいのかと葛藤する中で、マユは絵を通して真鈴ちゃんの“ありのまま”を描きたいという思いが強くなる。 しかし、純粋な気持ちで描いた渾身の作品が炎上し、ついには真鈴ちゃんの引退が発表される。「私の絵が悪かったのか」と自問するマユが、推し活を通じて見つけたものとは。 古参と新参の葛藤、推しとファンの関係、そして本当の意味での“推し活”とは何かを問いかける作品に「いや、めちゃくちゃわかる」「古参アピだるいとか言われるけど、自分が生きてきたコミュニティが広がると苦しくなるんだよね」「最近は写真でも盛り盛り加工が当たり前ってなってる時代だからこそ…」「コンプレックスを持っているけど頑張って生きようと思えた」など共感の声が多く寄せられている。 ■作者・もぐこんさん「最終回の3話はもっと面白いことになっていますので…」 ーー『推しの肌が荒れた』を創作したきっかけや理由があればお教えください。 『推しの肌が荒れた』創作のきっかけは、一つは、子供の頃自分がアトピーだった経験から、アトピーというのが本人のつらさの割に、他の病気に比べて、深刻に考えられていないというか、アトピーについての漫画があまりないなと思っていたのでテーマとして考える必要や価値があるなと思いました。もう一つはテレビなどを見ていて肌の荒れた芸人さんはある程度見かけますが、アイドルや若い女性のタレントにはそういった人がほとんど全く見ないことがずっとちょっと引っかかていたので、肌荒れと最も遠いものとしてアイドルということを考えました。 ーー今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。 こだわった点、注目ポイントは、アナログのペン画による肌荒れの表現です。アナログ原稿は実際にケント紙をペン先で傷つけるように描くので、物質的な荒れを表現するのに適していると思います。また、肌が荒れてる感じは出しつつ、キャラクターの感情表現などが見づらくないようなバランスになるように気を付けて描いたつもりです。 ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 描いたのが2年以上前の漫画なので読み直して改めて思った部分になりますが、今回掲載させて頂く2話までの範囲で言うなら2話13ページ3コマ目の主人公のモノローグ「推しががんばってるなら 私は 推すしかない」です。実はこの漫画を描いたときまでは人生で実際にアイドルを好きになったことはなかったのですが、この漫画を描くためにいろいろなアイドルを見るようになり、それきっかけで応援するようになったアイドルグループがあり、今は実際にライブに行ったり、「推し」ているアイドルがいるのですが、その今の自分が読んでも推しがいなかったのによくこのセリフが描けたなとグッと来たからです。 ーー普段漫画を描く際に大切にしていることがあればお教えください。 アトピーなど、すべての人が体感的に分かるわけではない話を考えてしまうことが多いので、誰が読んでも読めるように、読みやすく描くことを心掛けています。 ーーもぐこんさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。 短期的な目標は、次の連載漫画を描くことです。二巻以上続く漫画を描いてみたいです。細々でもいいのでずっと漫画を描いたり絵を描いたりしていきたいです。 ーー最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。 いつも作品を読んでくださってありがとうございます。これからも読んでいる時間が面白いと思える漫画を描いて行きたいと考えていますので、良ければまた読んでください。今回SNSで知って下さった方やこの記事で知って下さった方は「推しの肌が荒れた」最終回の3話はもっと面白いことになっていますので是非電子書籍や単行本で最後まで読んで頂けると嬉しいです。
【関連記事】
- 【漫画】描いた絵がバズり、推しが一躍スターに… うれしいはずなのに感じる孤独と、推すことへの葛藤を描いた作品に「いや、めちゃくちゃわかる」と共感の嵐
- 【漫画】美人=幸せですか…スクールカーストを超えた本物の友情に「これは教科書に載ってもいい」「最後に泣いてしまった」と反響
- 【漫画】「何も覚えていません…」凄惨な交通事故を起こした“高級国民”への裁き、待ち受けるまさかのラストに「いきなり怖すぎ」の声続出
- 【漫画】いじめを根絶するため、加害者に制裁を…賛否両論の衝撃作に「社会的に重要な役割りを果たす作品」「これやべぇな」の声
- 【漫画】“一撃100万円の闇バイト” 強盗に入った家の老人のまさかすぎる正体に「怖すぎ」「これ夜見るもんじゃねえな」と戦慄の声続々