死後、預金やサブスクはどうなる?作家・雨宮処凛が語る“損しない”技「情報と知識がすべて」
有り金全部取られてしまう可能性も
一人暮らしの場合には、玄関ドア近くの見えない場所に暗証番号で開くタイプのキーボックスを設置して、いざという時は家族なり友人なりが部屋に入れるようにしておけば、死後の手間を減らすこととなる。 「しばらく自分と連絡が取れなかったら、部屋に来てと家族や友人に伝えておく。逆に親族や友達がいなくても、業者を知ってさえいればそこに託す。どこかに解決の窓口はあるんです。あとは遺言状でしょうか。遺族が揉めないためにも必要です」 自分が死んで少しでも預貯金があった場合は、法定相続人へと相続されることとなる。相続の詳細については本書を参考いただくとして、独り身の場合はどうなるのだろうか。 「法定相続人が1人もいない場合は、すべて国庫に入ることになります。国庫に入ることを希望する人はそれはそれでいいと思うんですが、こんなに税金がおかしな使われ方をしている状況だから、嫌だって思う人もいますよね。そういう人はNPOなどに寄付するという手があります。そのためには、受け取ってもらう相手と死因贈与契約というものを生前に結ぶ必要があります。遺産で推しを推すこともできるのです。ただ、相手の了解をとらないといけない。こういう、もろもろの情報を知らずに生きているのって、全裸で生きているみたいなもの。知識を持たずに生きているってことは、無防備すぎることなんです。有り金全部取られてしまう可能性だってある」 本書の中で紹介されている、様々な専門家や組織が取り扱っている事柄は、誰にでもおきる普遍的な、生きていく上で出会う問題や悩み。『死なないノウハウ』で信頼できる相談先や然るべき解決方法の知識を手にいれれば、人生のハードさが少しだけ下がる。御守り代わりに一冊、手元においておきたい本ではないだろうか。 【前編】生活困窮で消費者金融に走る人に待った!作家・雨宮処凛が語る「行政の制度を利用しないと損」は下の関連記事からご覧ください。
ENTAME next編集部