死後、預金やサブスクはどうなる?作家・雨宮処凛が語る“損しない”技「情報と知識がすべて」
死後、銀行口座はどうなる?
「死なない」ことはもちろん大切だが、いつかは誰もが「死ぬ」。家族持ちであれど、独り身なれど、死んだ後の始末という問題が必ず立ち上がることになる。ネット通帳やサブスク、スマホやパソコンのデータ……デジタル化で、かつてよりも死後の始末が複雑化した現在、なにを備えておくことが必要かも、本書で紹介されている。 「一番困るのは、残された人たちが、どこの銀行に口座があって、どんなサブスクに入っているのか、何を契約しているのかわからないこと。シニアライフ特化型コンセルジュサービスを提供している『LMN』に取材したところ、一番困るのは亡くなった後に、パスコ―ドがわからずにスマホが開かないことだそうです。『LMN』では特殊な業者と提携、スマホを開くサービスを請け負ってくれますが、パスワードの入力を10回間違えると初期化されてしまうiPhone(設定による)の場合は50万円くらいかかるといいます。何度でもパスワードを試せるアンドロイドは10万円くらいで済むそうですが」 それを防ぐために事前に伝える相手を指定しておくことで、死後、パスワードなどの情報が行くというシステム『デジタルキーパー』というシステムも用意されている。こちらは月額330円。すべてクラウド化されており、指定されている人以外には絶対に情報がバレないというから安心だ。 「自分が契約している電気、ガス、水道、口座を持っている銀行、家賃支払い先、サブスク、スポーツジムなどの会費、NISAとかの金融財産とか、すべての情報をまとめて託せる人がいるんだったらいいですが、そこまで信頼できる人はいないっていうんだったら、業者に頼むっていうのも、ひとつのやり方ですね」 死亡すると、銀行口座が勝手に凍結されてしまう場合がある。遺産相続のトラブルなどを避けるためだ。相続問題が解決するための一時とはいえ、葬式代が遺族の持ち出しとなってしまうこともある。それを防ぐテクニックも本書には紹介されている。 「ゆうちょ銀行は、届けを出すまで凍結されないんです。なので、遺族に迷惑を掛けたくない場合は、口座を作って葬式代だけはそこに入れておくのも一つの手です。ただ、今ってデジタル通帳であることも多くて、残された人たちが、どこにどれだけ貯金があるのかもわからないことも。解約していないサブスクは、クレジットカードが生きている限り引き落とされ続けるので、口座とパスワードは死後、遺族にわかるように残しておいたほうがいいです。死んだ後、SNSを退会手続きしてほしい人は、アカウント名とパスワードとを記しておいたほうがいいかも」