「ホーナー代表の疑惑については白でした。詳細は公表しません」じゃ通らない? レッドブルの発表に納得いかないライバルの声
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は女性従業員に対して不適切な行為があったという告発から、レッドブル本社による調査を受けた。結果的にレッドブルは申し立てを却下したが、他F1チームからは調査に関する透明性などについて疑問の声があがっている。 【動画】F1ドライバーが”軽トラ”で無理難題に挑む! ホーナー代表に対する疑惑は、2月9日に独立した弁護士が聞き取り調査を実施。しばらく動きの無い期間が続いたが、28日にレッドブルは調査の結果、ホーナー代表への申し立てを棄却すると声明を発表した。 ただF1界でも大きな話題となっていたこの疑惑については、レッドブルがその調査結果について詳細を公開していないため、闇に葬られたのではないかという懸念も発生してしまった。 レッドブルは声明で調査報告については「調査報告書は機密事項であり、調査に協力した当事者や第三者の個人情報が含まれているため、関係者全員に配慮してこれ以上のコメントは差し控える」と記している。 こうしたレッドブルの対応に批判的な態度を示すひとりがライバルチームであるメルセデスのトト・ウルフ代表だ。彼はマクラーレンのザク・ブラウンCEOと共に、F1側と統括団体であるFIAに対し、この調査が適切に行なわれたことを確認する措置を講じるように求めた。 ウルフ代表はレッドブルの調査結果について尋ねられると「声明は読んだが、かなり簡素なものだった」と答え、そして次のように見解を語った。 「私個人の見解としては、我々にはカーテンの裏側を覗き見ることはできない、という点がある。結局のところこれは、ある組織の女性が問題があると告発し、調査が行なわれたんだ。そして昨日、F1界はメッセージを受け取った。『問題はない。確認した』というね」 「こうした重要なテーマについて、グローバルなスポーツとしてやっていくには、さらなる透明性が求められると思う。そして、このスポーツの立場はどうだろうか?」 「我々はライバル同士だ。そこではチームとして、個人として意見があるかないかは自由だ。しかしスポーツとして、その状況で何が正しくて何が間違っているかを評価する必要があるのは、むしろ一般的な反応や行動ではないだろうか」 またブラウンCEOも、憶測の続くこの状況は健全ではないと語った。 「私もその声明を読んだが、見た限りではまだたくさんの噂や憶測、疑問がひしめいていると思う」 「統括団体は我々のスポーツやファン、そしてF1に関わる全員に対しての責任と力を持っていると思う。そして、彼らは物事が完全に透明化されていることを、確認する必要があると思う」 「それまでは人々の憶測は続くだろう。なぜならプロセス全体に関して、答えのない疑問がたくさんあるからだ。このスポーツを運営している者たちに必要なことは、しっかりとした一線を定めることだと思う」 「そうなるまではある程度憶測は続くだろうし、それはスポーツにとって健全なことではないと思う」 またウルフ代表は、この問題の詳細について評価を行なうことなくレッドブルの声明を受け入れることはF1にとっても好ましくないことだと語った。 「私はこういった重要なテーマについて、曖昧で不透明なままにしておくわけにはいかないと考えているだけだ。なぜなら、これが我々を追い詰めることになるからだ」 なおウルフ代表らがこうしたコメントを発したあと、この疑惑について再び動きがあった。F1やFIA、メディアなど多数の関係者を対象に、メールでこの告発に関する証拠と思わしき文書や画像などが匿名でリークされたのだ。ただホーナー代表は、当然疑惑については改めて否定している。
Jonathan Noble
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