40歳で妻と子どもの4人家族。東京に引っ越すので「車」を手放す予定です。維持費分で「年40万円」ほど浮くのですが、“投資”に回せば2000万円は貯められるでしょうか…?
一般社団法人日本自動車工業会が2023年度に実施した調査では、車を所有する世帯は77.6%となり、4世帯に3世帯は車を所有しています。多くの世帯が車を持つ一方で、東京などの都市圏では交通網が整備されているうえ、駐車場を借りる場合には費用が高く、維持費の負担が重くなるため、車を所有しないことを選択する人もいるかと思います。 本記事では、車の維持費が年間でどの程度かかるのか、また車を手放し、維持費相当のお金を投資に回した場合の将来の貯蓄額についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
車の維持費は年間約40万円かかる
車を持っていることで発生する維持費には、大きく分けると次のようなものがあります。 ●税金 ●保険料 ●メンテナンス費用 ●走行にかかる費用 ●駐車場代 維持費は車種や使用状況などによって異なりますが、一例として、スズキのソリオHYBRID SZを所有している場合の年間費用を試算したところ約40万円でした。内訳は図表1の通りです。 図表1
東京都主税局、国土交通省、自賠責保険・共済ポータルサイト、損保保険料算出機構、楽天car車検、経済産業省資源エネルギー庁、スズキ株式会社HP、総務省統計局より筆者作成
年間約40万円を運用すると25年で約2000万円になることも
先ほど紹介した年間約40万円の維持費をならすと月3万3333円です。この金額を40歳から65歳までの25年間、毎月投資に回すと元本は約1000万円になります。 この元本で運用益を全て再投資に回した場合、利回り3%、4%、5%の運用結果は以下の通りです。仮に利回り5%で運用できたとすると、貯蓄額は約2000万円になります。 ●利回り3%の場合:元本1000万円+運用益487万円=1487万円 ●利回り4%の場合:元本1000万円+運用益714万円=1714万円 ●利回り5%の場合:元本1000万円+運用益985万円=1985万円
車を売却することによるデメリット
車を売却することは、貯蓄の面では大きな効果がある一方、デメリットもあります。主に下記の3つが挙げられます。 ■緊急時にすぐ乗れない 家族が急に体調を崩したり、急に雨が降り始めて家族を駅まで迎えに行ったりと、予期せぬタイミングで車が必要なときに対応が難しくなります。公共交通機関を利用したり、タクシーを呼んだりするのは時間がかかる上、夜間などはほかの交通手段がないことも考えられます。 ■天候が悪い日の移動がストレスに感じる 雨や風が強い日や、暑さや寒さが厳しい日などに、自宅に駐車場があり、玄関を開ければ車に乗って快適に移動できる人もいるかと思います。そういう人にとっては、自家用車を手放して移動が不便になることをストレスに感じるでしょう。 ■大人数の移動費用が高くなることがある 移動する人数が多くなれば、車で移動したほうが公共交通機関を利用するよりも安くなることがあります。例えば、家族4人で東京から大阪へ旅行に行く場合、運転する手間などはありますが、コストだけでいうと、車で移動したほうが約8万5000円安くなります。内訳は以下の通りです。 ●新幹線代:1人あたり1万4920円×4人×2(往復)=11万9360円 ●自動車:高速代1万3090円×2(往復)+ガソリン代7650円≒3万3830円
将来いくらのお金が必要かを考え、車を手放すかどうかを判断しよう
今回のケースでは、車を所有することで年間約40万円の維持費が発生しています。全額を投資に回すと、5%で25年運用できれば約2000万円の貯蓄になる可能性があります。 一方、車を手放すことにはデメリットもあります。将来必要な金額と生活環境をよく検討し、車を手放すかを判断しましょう。 出典 東京都主税局 自動車税種別割 SUZUKI 価格・グレード 金融庁 つみたてシミュレーター 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部