日本の女子ボクサーが初の世界年間最優秀ボクサー表彰!
アマチュアの下地があるスタイリッシュなボクシングスタイルで、ディフェンスやボディ打ちを含めたコンビネーション、カウンターのタイミングなどの技術力は、極めて高度なテクニシャン。ほとんどの女子のトップボクサーが抱える「パワー不足」という課題はあるが、キレとタイミング、連打で、そのパワー不足をカバーすることに取り組んでいる。試合前には緊張する弱気な一面もあるが、足立区の下町育ちで、皆に愛される明るい性格。人気デュオの「ゆず」が大好きで入場曲には栄光の架橋を流している。 ただ女子ボクシングは、まだまだメジャー化しておらず、世界戦でもテレビ放映がなく、ジャッジや立会い人などのオフィシャル招聘に関しての経費がかかるため、世界戦興行を行うのは簡単ではないのが現実。女子ボクサーの海外での世界挑戦が増えている事情は、そこにある。スポンサーの協力がなければ、国内での世界戦実現は難しく、柴田も金属機器を扱う「大槻商店」で事務の仕事をしながらの“兼任プロボクサー”だ。 そういう状況下で、柴田が手にしたサプライズ的な年間最優秀ボクサーとしての表彰は、女子ボクシング界全体にとっても励みとなり意義のある名誉となった。 「この前は、しょぼい防衛戦をしてしまいました。反省ばかりです。次の防衛戦は指名試合になりますが、例え海外になっても勝負したい。もう33歳です。できても35歳までだと思っています。あと2年、全力で突っ走りたい」 2月19日に行われたV3戦では挑戦者の花形冴美(花形)のペースに巻き込まれて大苦戦。2-0の判定で勝ったが、最終ラウンドを落としていれば、王座から転落するところだった。指名試合となるV4戦は、表彰式のあるモントリオールでの総会中に開催するというプランもあるそうだが、いずれにしろ、これからは、最優秀ボクサーにふさわしい、やまと撫子のファイトを世界に披露せねばならないだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)