最終モデルでも20年が経過しているのに残存率ヤバくないか!? ホンダ3代目ライフをしょっちゅう街で見かける理由とは
もう20年以上前のクルマなのにめちゃめちゃ見かける!?
Nシリーズ登場以前のホンダを代表する軽自動車といえば、ライフであったことに異論がある人は少ないだろう。 【画像ギャラリー】1971年に登場した初代ホンダ・ライフ 初代モデルは1971年に登場し、まだまだ360ccの軽自動車は空冷式が多かったところに水冷式のエンジンを搭載。日本車として初めてタイミングベルトを採用するなど、先進的なモデルともなっていた。 また、ファミリーカーとして使われることも想定し、4ドアモデルをホンダの軽自動車としては初めて設定したほか、ライフのプラットフォームを使用した商用車であるライフステップバンとライフピックアップもラインアップされていた。 その後、1974年秋に生産を終了したライフであったが、1997年4月にトールワゴンとして再登場。翌年10月には軽自動車規格が改定されたこともあり、デザインはほぼ2代目の踏襲ではあるものの、ボディサイズを拡大した3代目が登場している。 この3代目ライフは環境に配慮した低公害車ともなっており、2000年12月に追加されたターボモデルの「ライフダンク」も、ターボエンジン搭載車としては初めて運輸省(当時)の優-低排出ガス認定を取得したモデルとなっていた。 そんな3代目ライフは、2003年9月に登場した4代目モデルと入れ替わりで生産を終了し、すでに最終型でも20年が経過している、ある意味ネオクラシックカーとなっているのだが、なぜだかまだまだ街なかで見かける機会が多い1台となっている。 さすがに首都圏では見かける機会も減っているが、ちょっと首都圏から外れると、日常の足として愛用されている3代目ライフを多く見かけることができるのだ。
安くて丈夫で使いやすい!
これは3代目ライフが比較的丈夫なモデルであることの証明にほかならないワケなのだが、じつは3代目ライフのベースとなった2代目ライフは、同社のエントリー軽自動車だったトゥデイと基本メカニズムを共有しており、登場の時点ですでにある程度熟成の進んだメカとなっていた。 それゆえに、日常使いにおいて致命的なトラブルが発生する率が低く、移動の足として使用しているユーザーからしてみれば、壊れなければ乗り換える理由もないということで、比較的長い車齢でありながら現役の車両が多くなっていると予想される。 その一方で、丈夫で使いやすいモデルではあるものの、決して中古車市場で大人気なモデルというワケでもないため、中古車として店頭に並ぶものも安価なものが多く、安価な日常の足を求めているユーザーに買われていくというサイクルが出来上がっているのである。 また、同じく比較的安価に買うことができるアルトやミラの軽セダンに対し、ライフはトールワゴンということで室内が広く、大きなウインドウによって見切りが良いという点も多くのユーザーに愛されるポイントであることは間違いないだろう。 このように3代目ライフは「無事是名馬」を地で行く、実用車界のスーパーヒーローとなっているのである。
小鮒康一