移民対策強化で米経済減速か トランプ次期政権、労働力に影響
【ワシントン共同】米国のトランプ次期大統領は、不法移民の強制送還など強硬な対応策を主張し、有権者の支持を得た。移民には労働力を提供したり消費したりして米経済を支える側面があり、専門家からは移民を巡る強硬策によって、米経済が減速するとの見方が出ている。 トランプ氏は大統領選で、民主党政権による寛容な移民政策で不法移民が増えたと批判。国境措置の強化を訴えた。就任後は移民の強制送還だけでなく、学生向けのビザ(査証)の発給や正規の移民受け入れも縮小する可能性がある。 米国移民評議会によると、2022年時点で米国内の不法移民は1100万人で、人口の3.3%を占める。就労している人も多く、強制送還が実施されれば建設労働者の30%以上の働き手を失うと指摘。農業や、接客などのサービス業にも影響が出るとしている。 アメリカン・エンタープライズ研究所のスタン・ボーガー上級研究員らは、トランプ氏が掲げる移民政策の多くを実施した場合、現行政策を維持した場合と比べて25年のGDP成長率が0.4ポイント低下すると試算する。