事故を誘発する?一灯点滅式信号機 ちょっと変わった形で信号機と認識されず 耐震性への不安や修理困難もあり廃止が進む
ライトが四方に1個ずつあるのが特徴の「一灯点滅式信号機」。ちょっと変わった形で信号機と認識されないことなどから、交通事故を誘発するおそれもあるとされ、福島県警察本部では廃止を進めている。 【画像】福島県相馬市中村にある一灯式点滅信号機
福島県には多い時で165基設置
福島県相馬市中村の交差点に設置されている一灯点滅式信号機。相馬警察署交通課の齋藤隆幸課長は「車両用信号機のひとつ。道幅が狭い道路や、通常の信号機が設置できないような交差点に安全対策としてつけられていたもの」と説明する。 ライトが四方に1個ずつあり赤色は「一時停止」、黄色は「注意して進め」というルールになっている。 道幅の狭い十字路交差点でも1つの信号機でカバーできることなどから、福島県内では最も多い時期に165基があった。(2015年度末)
倒壊のおそれや修理困難な状況に
しかしデメリットもあり、一本のアームで吊り下げているため大きい地震などの揺れで倒壊するおそれがある。そして、中には約20年の耐用年数を10年以上超えて運用しているものもあるが、すでに部品の生産は終了していて修理も難しくなっているという。
交通事故を誘発する?
さらには、相馬警察署交通課の齋藤隆幸課長によると「全国的に撤去が進むなかで認知度が低下し、交通事故を誘発しやすいというデメリットがある」という。信号機として認知されず「赤色」で止まらないで事故に至るケースなどが多いそうだ。 福島県内には2023年度末の時点で108基あり、このうち2024年度は9基の廃止が決定した。
住民からは賛否の声
相馬市の交差点では、一時停止の標識を代わりに設置する予定だが、地域住民からは「大きく“一時停止”や“徐行”の看板あればいいのでは」「撤去しない方がいい。事故が多いところだったが信号機をつけてからは良かった」「撤去したあとに事故が多くなって、また設置するとなったら余計なお金かかる」と賛否の声が聞かれた。 福島県内でも進む一灯点滅式信号機の廃止。地域に、改めて交通事故防止に向けた対策や方法が投げかけられている。 (福島テレビ)
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