山里亮太、蒼井優を射止めた“愛され力”の秘密
歓声に変えた山里の努力と心遣い
しかしそんな中でも、山里は精一杯、ファンのことを考え努力していた。自ら申し出て、手袋を用意してもらって臨んでいたのだ。本来は素手だったのだが、せめて素手でメンバーの手をさわらないようにという、涙ぐましいまでの気づかい。表情も、楽しそうな素振りはなく、終始、格闘技を裁いているかのような真剣な姿勢を崩さなかった。 そんな誠意が、回を重ねるごとにブーイングを歓声に変えた。第4回大会でレフェリーを外れたときには、「やっぱり山ちゃんじゃないとピンと来ない」「レフェリーしてる山ちゃん大好きだったのにショック」「山ちゃんがレフェリーだと会場全体が締まる感じがするし緊張感高まるしすごくいいのに」などと、多数の惜しむ声がネット上に躍った。 今年3月6日に放送されたNHK Eテレ「ねほりんぱほりん」でMCの山里は、フィギュアスケートの羽生結弦選手と出会って人生が変わったと幸せそうなファンたちに、「ああいう感情になれるものが人生で見つかった人って、むちゃくちゃ幸せ」「自分のすべてを捧げられる愛すべきものが見つかった人って、一番勝ち」と、コメントしている。 山里自身が蒼井の世界一のファンであることが会見の好感度を上げたのだろうし、そんなふうに、優しく誠意ある心遣いができる山里だからこそ、蒼井を射止めることができたのではないだろうか。 (文・志和浩司)