福岡空港国際線エリアで進む大改造…新施設前にバス横付け・ビル増築で保安検査場の拡張も
九州の空の玄関口・福岡空港(福岡市博多区)の2本目滑走路が来年3月末に供用開始となるのを控え、国際線ターミナルビルの一帯で大改造が進んでいる。12月3日には、空港と九州各地を結ぶバスへの乗降をスムーズにする施設「アクセスホール」が供用開始となるほか、来年3月には国際線ビルの増築部分も開業し、国際線エリアは大きく姿を変える。(中尾健) 【地図】大改造が進む福岡空港の国際線エリア
今月20日、国際線ビルを訪れると、ビルの1階部分に全面ガラス張りの開放感あふれるアクセスホールがほぼ完成していた。九州各地や福岡市街地との間をつなぐ高速バスや路線バスが発着する施設だ。
案内してくれた同空港の運営会社「福岡国際空港(FIAC)」の広報担当・大川紘平さん(30)は「お客様が到着後やお出迎えの時間を快適に過ごせる空間を目指しています」と話した。
福岡市地下鉄が直結していない国際線ビルには、1日に200便を超える高速・路線バスが発着しており、利用者も多い。これまでは屋外の停留所でバスを待つ必要があり、長蛇の列となることもあったが、アクセスホール前にバスが横付けするため乗降が快適となり、荷物が多い観光客らの負担軽減にもつながりそうだ。
アクセスホールは施設面積約4000平方メートル。到着ロビー全体では、これまでの3倍近い約6300平方メートルに拡大する。ホール内には観光案内所や外貨両替所、宅配カウンターのほか、牛丼チェーンやカフェ、コンビニなども整備する。福岡県の伝統工芸品「大川組子」を使ったベンチなども設置し、福岡の文化を感じられる施設となる予定だ。
国際線ビル北側の増築も進んでおり、来年3月28日に開業予定だ。免税店は現在の4倍となる約6000平方メートルに拡大するほか、フードコートの整備や保安検査場の拡張も行っている。来年度からは飛行機に乗降するコンコースの南側への延長工事や、第2立体駐車場の整備も計画している。
国際線の旅客数は2023年には707万人で過去最多を記録。FIACは路線を増やし、48年度には年間1600万人にまで拡大することを目指している。