<速報>263日ぶり先発の日ハム大谷が制球難で押し出し含む4失点29球降板
日ハムの大谷翔平(23)が12日、京セラドームで行われたオリックス戦に先発、最速は158キロをマークしたが、コントロールも含めてとても1軍マウンドに上がる段階ではなく、2回に押し出しの四球を与え一死満塁のまま降板した。2番手のメンドーサが走者を還してしまい、大谷は1回3分の1を投げて2安打3四球2奪三振4失点の結果となった。大谷の1軍登板は、昨年10月の日本シリーズ第1戦の広島戦以来263日ぶりだったが、ゲームを壊すような“テスト登板起用”に疑問は残った。 その第1球は、さすがに力んだ。オリックスの小島に対して、引っ掛けたボールは打者側にそれてワンバウンドになった。それでも球速は155キロ。2球目も打者側にひっかかって捕手の清水は捕れなかった。カウント3-0からストライクをとったが、また指に引っかかってコントロールされずに四球を与えた。 続く駿太には、ストレートでファウルを誘って追い込み144キロのフォークをストン。三振を奪う。 一死一塁で3試合連続ヒット中の2年目、吉田正を迎えて、大谷は少しスイッチを入れた。初球は156キロ、続けて155キロのストレートでインサイドを押し込むと、フルスイングが持ち味の吉田正も差し込まれた。詰まって一塁ゴロ。中田ー中島ー中田と渡るダブルプレーで立ち上がりのピンチを脱した。 2回は、ロメロに対して捕手のサインに首をふったスライダーでカウントを整えると、最後はフォークでスイングアウト。小谷野には、最速158キロをマークしたが、四球で歩かせてしまった。 続くマレーロは、153キロのストレートで芯を外したが、三塁への大きなバウンドを素手で捕ろうとしたレアードが、これをポロ(記録はヒット)。一死一、二塁でT-岡田には、高めに浮いた153キロのストレートをライト前に運ばれて一死満塁となった。このピンチに大城にストライクが入らない。ストレートの押し出し四球で先制点を許す。球数が29球に達したことで栗山監督が降板を告げ、球場にどよめきが生まれた。 右足首痛でWBCを辞退、打者1本で開幕を迎えたが、今度は左大腿部を痛め戦線を離脱した。大谷は、1日のイースタンリーグの西武戦で投手として復帰、1回、23球を投げて山川に一発を浴びるなどして1失点、2死四球、2奪三振で降板したが、ストレートは157キロをマーク。6日には、西武戦前に打撃投手として50球を投げ込み、この日の先発マウンドを迎えた。 栗山監督は「打者の反応など1軍でしかわからないものがある」と、大谷の起用理由を語っていて、当初からこの程度の球数での降板予定だったという。ただ、ストレートの走りも、コントロール、フォームバランスも、本来の大谷の姿からは程遠かった。 一死満塁から後を受けた2番手のメンドーサは、伊藤に三塁線を破る走者一掃のタイムリー二塁打を浴びて0-4。さらに駿太の犠牲フライで1点を追加されて0-5となった。 降板後、大谷は広報を通じて「やろうとしたことは全然できなかった。出力を上げるという意味では問題なかったんですけど、制御することができませんでした。課題が残る内容。メンドーサにも申し訳ないことをしました。今日の反省を次に生かせるようにしっかりと調整していきます」という談話を出した。