「何も隠すつもりはないし、事実」キャプテンの喜田拓也がマリノス愛&主将の責任を熱弁!「ひたすら考え、自分なりの答えを出す」
イメージは成長を邪魔してしまう
――得意の守備での貢献はもちろん、10節の名古屋戦(1-1)では5年ぶりに得点を記録。ボランチでのさらなる進化のために、目ざしていることは? すべての面を上げられるようにと思い、取り組んでいます。攻守ともにやらなくてはいけないことがボランチは多いですし。すべてができないと務まらないポジションではあるので、欲張りになっていいというか、どれか一つを伸ばすのも大事ですけど。練習の積み重ねでしかないので、すべてを上げられるようにというのは、今やっていることです。 ――過去に、「選手のタイプを決めつけるのは好きではない」という趣旨の発言もされていますね。 どうしてもイメージで、「こういうタイプの選手だ」という、たとえばですけど、「守備的な選手だ」というイメージがある選手と、攻撃に特長があるイメージの選手が同じスルーパスを出したとします。まったく同じパスでも、「おっ、さすがだ」となるのは、おそらく攻撃が特長のイメージの選手ですよね。もちろん、見ている人たちがどう見るのかは自由だし、決してその見方を否定したい訳じゃないんです。なんて言うんだろう、考え方、マインドのことが言いたいんです。うまく伝わってますかね?(笑)。 選手自身が決めつけてしまったり、イメージだけで動いてしまうと成長を邪魔してしまうと思います。何か、勝手に線を引いている感じがして、あまり僕は好きではないですね。だから、自分で自分をそうやって見てしまうと、「これはできない」とか決めつけて、可能性に蓋をしてしまったり、できるかもしれないのに、まだチャレンジもしてないのに、できるまで時間がかかるかもしれないけど、最初からあきらめることはしたくないなと。だから攻撃も守備も、上げられるものはすべて上げることにチャレンジはしたいです。 ――向上という意味で、名古屋戦での得点は、逆足の左足で決めましたね。左サイドのエウベル選手からの折り返しに、左足ダイレクトで合わせたファインゴール。 あの形はずっと練習していました。仲間との関係性や、「エウベルは、よくああいうボールをくれるよね」といった連係の積み重ねもありますし、ゴール前に入っていけた動きもそうです。そういった点で、少なからず良かった部分はありました。 ただ、満足できることは、本当にないですね。そもそも、5年ぶりは長すぎます。自分に対して腹が立つ気持ちもあります。 一方、チームを勝たせるゴールではなかったのですけど、決めたら、あれだけみんなが喜んでくれた。久しぶりというのがあったかもしれないですけど、あれだけ喜んでくれるっていうのは、やはり、もっと決めないといけないし、みんな待っていてくれたのだと、改めて感じることができたので、一つ重い扉を開けたということで、次からもっと取れればいいですね。 ――ボランチのポジションでは、コンビを組むことが多い渡辺皓太選手以外にも、山根陸選手や榊原彗悟選手など、若手の台頭も目立ちます。競争のなかで意識されていることを教えてください。 これは選手それぞれに考えがあっていいと思いますけど、僕自身は、ライバルという見方をしたことはないですね。同じポジションなので、周りからは比べられることも多々ありますし、そう見られるのも理解もしています。ただ、僕としては、年齢が若い、キャリアが浅いとか、そういったことはまったく関係なくて。ボランチは僕より若い選手が多いですけど、100%信頼し、リスペクトしています。 僕らがクラブにいる意味は、試合でチームを勝たせるためだと思うので、僕ら自身で、優劣をつけるためにいるわけではないです。だから、それぞれ良さがあって、それぞれのパーソナリティもあるなかで、その良さを活かしながらチームに貢献するとか、チームを勝たせることに繋げないと、競争どうこうの前に、自分たちがいる意味がないという捉え方をしています。 「彼らの存在はどうですか?」と聞かれれば、「本当に頼もしい仲間」と答えるのが、僕のなかでは正解です。一緒にやっていて楽しいですし、合う部分もたくさんあるので、そういう印象のほうが大きいですかね。
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