夫婦が揃っているうちに話し合っておくべき「葬儀の準備」 “誰を呼ぶか”は事前にリスト化、「喪主」と「遺影」も決めておく
案内をどこまで送るか
無駄に費用が膨らまないよう、葬儀では事前に参列者を絞り込むことが重要だ。今年3月、父の葬儀を行なった40代男性が語る。 「段取りを進めるなか、叔父(父の弟)と『葬儀に誰を呼ぶか』で大揉めしました。父はひとり身で人付き合いも少なく、離れて暮らす親戚一同とも距離を置いていた。ところが叔父は存命の親戚縁者全員を呼ぶ勢いで、マイクロバスまで手配してしまった。案の定、告別式は知らない顔だらけ(苦笑)。費用も倍以上に膨れ上がり、とんでもない目に遭いました」
こうしたトラブルを避けるための知恵を、佐藤氏が解説する。 「葬儀は本人と家族だけではなく“見送りたい”と望む知人や親族の気持ちが絡む。その点を押さえて、あらかじめ子供を含めた家族で相談し、会葬案内を送る人のリストを作成しておきましょう」 きょうだいがいる場合は、喪主についても取り決めておくことが大切だ。 「葬儀は喪主の心労が重なります。子供たちが喪主を押しつけ合うケースがよくあるので、生前に喪主を誰に任せるかを伝えておくとよい。 遺影についても、どの写真を使えばいいか悩むケースが多いので、あらかじめ自分の希望を伝え、焼き増しして子供たちに渡しておきましょう」(佐藤氏) 葬儀は人生最後のセレモニー。禍根を残さず、きれいに旅立つ準備をしておきたい。 ※週刊ポスト2024年6月28日・7月5日号