「日本に感動を与えた」「研究の成果を世界に」「ジオパーク仲間の名誉」 東奥賞受賞、関係者が祝福
「日本に感動を与えた」「研究の成果を世界に」「ジオパーク仲間の名誉」-。7日、青森市のホテル青森で開かれた東奥賞贈呈式では、受賞した五輪近代五種の佐藤大宗さん、弘前大学前立腺腫瘍マーカー研究チーム、下北ジオパークの住民団体(下北ジオパークサポーターの会、同ガイドの会)に縁のある関係者らが、数々の裏話を披露しながら祝福の言葉を寄せた。 青森山田中学・高校の6年間、水泳部で佐藤さんの指導に当たった青森山田高校の相馬季明(すえあき)副校長は「オリンピックでの素晴らしい活躍は、日本に、東北に、青森県に大きな感動を与えてくれた」とたたえた。佐藤さんの水泳部時代を振り返り「食うことは勝つこと」をモットーに体づくりの一環で合宿時に行った大盛りの食事に苦戦していた-という思い出話を披露。 佐藤さんは「食事トレーニングをしっかりとやったおかげで、今の私の最強の体がある」と感謝。2028年ロサンゼルス五輪から馬術に変わって行われる障害物レースについては「難しいが、慣れるとめちゃくちゃ楽しい。強くなるのが楽しみ」と抱負を述べた。 弘前大の大山力名誉教授は、前立腺がん患者がタンパク質「PSA」の糖鎖と呼ばれる部分が変異することに着目し、1997年に研究を開始。2008年に糖鎖生物学の専門家・米山徹助教(44)らを弘前大学に招いたことを機に「研究が飛躍的に進歩した」と振り返った。 米山助教は「研究は一歩進んでも五歩、十歩下がるの繰り返しだった。年月はかかったが、やっと皆さんに使ってもらえるようになってうれしい。日本中の前立腺がんに苦しむ人を救うだけでなく、世界にも広げていくことが重要」と語った。弘前大の福田眞作学長は、米山助教と大山さんの出会いが世紀の大発見につながった-とし「初心を捨てず何かに一生懸命取り組む人は、そういう人に巡り会えるようになっている」と、初志を貫徹した大山さんをねぎらった。 下北ジオパークは14年に初めて認定審査に臨んだが「地域住民が一体となった推進体制が必要」などの理由で認定見送りに。その悔しさをばねに住民有志が団体を組織したり、勉強会を開催するなど地域を巻き込む活動を進め、16年に認定を勝ち取った。 日本ジオパーク委員会の宮原育子副委員長(宮城学院女子大教授)は「サポーターの会の小田桐隆夫会長をはじめ住民の皆さんが『これはいかん。みんなで盛り上げないと通らないよ』と、必死に活動を進めてくださったおかげ」と賛辞を送った。ジオパークの認知度はまだ低いとし、「活動が評価され、大きな賞をいただけたことは私どもジオパークの仲間にとっても大変名誉なこと」と、わが事のように喜んだ。