驚愕! 超絶長回しのワンカット映画5選!
140分ワンカット、リアルタイムで進行する犯罪スリラー!『ヴィクトリア』
早朝、まだ闇に包まれているベルリンの繁華街。スペインから越してきたばかりでドイツ語が話せない若い女性ヴィクトリアは、クラブで夜遊びした帰り道、4人組の若い男たちと知り合う。犯罪に手を染めていそうな彼らだったが、彼女は出勤までの時間、彼らと過ごすことに。しかし、そんな成り行きは、ヴィクトリアの身をとてつもない危険にさらすことになる……。 140分ワンカット、リアルタイムで進行する驚くべき犯罪スリラー。クルマ泥棒から強盗へと犯罪が重さを増していく急展開を、手持ちカメラは執拗に追い続け、悪化していく状況の渦中に観る者を引きずり込む。脚本は簡単なプロットのみで、ベルリンの街の殺伐とした景色、役者のアドリブ、撮影中のアクシデントを取り込みながら映画は撮影されていったとのことだが、それも納得の生々しさ。徹夜で遊んだ後の凄まじい疲労にも似た、ラストの虚無的なけだるさは忘れ難い。
トラウマになる恐怖の72分間!『ウトヤ島、7月22日』
2011年7月22日、ノルウェーの首都オスロから北西40キロに位置するウトヤ島。サマーキャンプで賑わう、この地に銃声が鳴り響き、辺りはたちまちパニックに。次々と若者たちが銃弾に倒れていく中、少女カヤは森の中を必死に逃げ回りながら、はぐれてしまった妹を探しまわる。しかし、狙撃手犯の魔の手は確実に迫っていた……。 69人の命を奪った凄惨な無差別テロ事件を、実話に基づいて描いた衝撃作。主人公カヤの視点から、その現場で何が起きたのかを検証していく。72分の物語はリアルタイム進行で、パニックや逃亡の緊張感がリアルに伝わってくる。遺体の描写も生々しく、壮絶な現場にほうり込まれたような感覚。極右思想を持っていたテロリストの狂気的な暴走もトラウマレベルだ。
砲弾飛びかう戦地を駆け抜ける!『1917 命をかけた伝令』
1917年4月、第一次世界大戦の激戦が繰り広げられているフランス北部。英国軍はドイツ軍の撤退を受けた攻撃作戦を翌朝に控えていた。しかし、それがドイツ軍による罠であったことが判明。前線の舞台に作戦中止を伝えるため、若き英国人兵士ふたりが伝令を命じられた。彼らは援護もないままま、砲弾飛びかう戦地を必死に駆けまわり、翌朝までに任務を遂行しようとする。 『アメリカン・ビューティ』のアカデミー賞監督サム・メンデスが第一次大戦期の戦場を再現した体験型戦争映画。厳密なワンカット撮影ではないが、つなぎを自然にしてワンカットとして見せる技術は相当なもの。大量のエキストラが投入される合戦のスペクタクルは綿密なリハーサルが重ねられ、ワンカットで撮られたというから、没入感も並々ならぬものがある。アクションに体当たりで挑んだ俳優たちの奮闘も見逃せない。