松江市にあり松江藩の歴代藩主が眠るお寺で25日、「外来生物」の駆除作戦が行われました。 まつえワニの会・小草一政副代表： 居るとしたらハスの中だと思う…。 松江藩の歴代藩主が眠る松江市の月照寺。境内にある池から引き上げられたのは、プラスチック製のカゴ。中に入っていたのは、アメリカザリガニやアカミミガメ。 本来は日本にいないはずの外来種ですが、各地で繁殖し、生態系に大きな影響を与えることから、2023年に「条件付特定外来生物」に指定され、野外に放したり、逃がしたりすることが禁止されています。 まつえワニの会・小草一政副代表： 外来種が増えると、日本古来の在来種の卵を食べてしまう。それが生態系を歪めるひとつの原因ではないかと思う。 この駆除作業は、特定外来生物の捕獲や駆除に取り組んでいる「まつえワニの会」のメンバーが、月照寺の池にアカミミガメがいるのを発見。ハスの根を食い荒らされるなどの被害に悩まされていた住職の依頼を受けて行われました。 作業は24日から始まり、メンバーがエサを入れたワナを設置。25日の朝に引き上げると、アカミミガメなどカメが14匹、アメリカザリガニ20匹などがかかっていました。なかでもアカミミガメは甲羅の大きさが約30センチのものも。 まつえワニの会・小草一政副代表： あまりにも大きな物が獲れてビックリしています。堀川辺りから歩いてきたのか、誰かが飽きて放してしまった物が大きくなったのか。カメの売買はできませんが、飼っている人は命が全うするまで飼い続けて欲しい。 特定外来生物に指定されていないクサガメとイシガメを池に放し、アカミミガメとアメリカザリガニは持ち帰り、市が管理する冷凍庫で凍らせたあと焼却処分するということです。 島根県自然環境課・青木陽子主幹： 島根県内のどこにどういった外来種が、どの程度侵入しているか把握できていない状況です。外来種の駆除を含め、きれいな環境を整備していきたい。 2023年に「条件付特定外来生物」に指定されたアカミミガメとアメリカザリガニは、一般家庭でペットとして飼育されているものは、これまで通り買うことができますが、池や川などの野外に放したり、逃がしたりすることは法律で禁止され、違反すると罰則・罰金の対象となります。 県は寿命を迎えるまで適切に飼育し、飼えなくなった場合は、友人や知人、新しい飼い主探しをしている団体に譲るなど、飼い主として責任を果たすよう呼び掛けています。