山口公明代表が習近平氏に会えなかったのは「いい結果」 専門家が解説
戦略科学者の中川コージが11月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後の日中関係について解説した。 【写真】習近平氏と会えなかった山口代表、王毅外相と会談で握手
尖閣周辺の中国のブイ、岸田総理「撤去も含めて検討」
飯田)中国が尖閣周辺にブイを浮かべたことに対し、岸田総理は11月22日の答弁で「撤去も含め検討」と言及しています。日中首脳会談もありましたが、どうご覧になりますか? 中川)直近の日中関係で目立ったのは、公明党の山口代表による北京訪問です。22日に中国を訪れ、序列5位の蔡奇氏と会談しました。これをどう評価するかがポイントだと思います。 飯田)各紙の報道でも蔡奇氏と会ったことが報じられる一方で、歴史的に関係の深い公明党の代表が習近平国家主席と会えなかったことは、「対中外交の厳しさを浮き彫りにしている」などとも指摘されています。
首脳同士ということであれば、習近平氏のカウンターパートは山口氏ではない
中川)実際のところ、首脳同士と考えると、習近平氏のカウンターパートは山口さんではないわけです。山口さんは与党、一政党の代表です。習近平氏が国家主席ではなく、中国共産党の総書記の立場として出てくることはあるかも知れませんが。 飯田)国家主席という立場ではなく。 中川)ただ、中国の国内的に考えても、日本に対しあまりにも融和的な雰囲気を出しすぎてもよくない。だからと言って、あまりにも冷たく対応しても外交上の問題があるので、中国としても微妙な位置付けにしなくてはいけないのです。中国の構造上、国の外交部同士で行うよりも、政党間外交の方が効くのです。中国は共産党の方が上ですから。 飯田)共産党が領導するわけですものね。
国の機関で話すより、政党間での議員外交の方が有効 ~蔡奇氏は党内を差配するトップの立場
中川)ですので、国の機関で話すより、政党間での外交、議員外交は有効なのです。蔡奇氏の序列はナンバー5ですが、国の機関の人間というよりも、党内を差配するトップの立場です。 飯田)蔡奇氏は。 中川)そういう意味では、極めて実務的なことができる人だし、中国の国内向けにも国家主席が会うような、上の感じを出さずに済む。実務面では、蔡奇氏と会ったのは悪いことではありません。昔なら、例えば中日友好協会の誰か……唐家璇さんなどと会うこともありました。冷え切っている場合は実務も面子も全部なしという形になりますが、今回は実務に関しては問題ない。親書を(習近平氏に)渡すことも十分可能な立場の人です。