<リオパラ五輪速報>“最も金に近い男”木村が100mバタで銀メダル
リオデジャネイロ・パラリンピックの競泳男子100mバタフライ、S11(視覚障害)クラスの決勝が14日(日本時間15日)、現地のアクアティックススタジアムで行われ、木村敬一(26、東京ガス)が、銀メダルを獲得した。木村は、50m自由形S11でも銀メダル、100m平泳ぎSB11でも銅メダルを獲得しており、今大会3つ目のメダル。 木村は、好スタートを切った。50mのターンではトップ。木村がどこまで逃げ切るかが焦点となったが、残り25m付近からスペインのオリベルが伸びてきた。ラストは激しいデッドヒートとなり、フィニッシュはタッチの差。木村の記録は1分2秒43。わずか0秒19差届かぬ銀メダルだった。 レース後、木村は、「悔しい気持ちはありますけど。。。。悔しい気持ちしかないです。自分の泳ぎをするだけだと思っていたんですが、勝ちたかったです。今回、世界ランキング1位で臨みましたし、世界選手権で優勝している種目だったので、なんとしてもという思いがあったんですが、こういう結果になってしまって悔しいです」と、何度も言葉を途切れさせながら悔しさをにじませた。 先天性の病気で2歳の時に全盲となったが、小学校4年時に母の薦めで水泳を始め、筑波大学附属視覚特別支援学校へ入学、水泳部に入り水泳界のレジェンドと出会う。今回、パラリンピックの殿堂入りを果たした河合純一さんである。バルセロナ大会から2012年のロンドン大会まで6大会に出場、金メダル5個を含む21個のメダルを獲得した水泳界のレジェンドの背中を追いかけ、ロンドンでは一緒に決勝レースも泳ぎ、木村が100mバタフライで銅、河合さんを抜いた。木村は100m平泳ぎでも銀メダルを獲得、ロンドンを限りに引退した河合からリーダーとしての責任と自覚をバトンタッチされた。 この4年間、金メダル獲得のため、フィジカル強化に全力を投入した。本来、食が細いため激しいトレーニングで1日に3キロも4キロも体重が減っていたが、支援者のサポートを受けて、練習終了後に近所の定食屋で栄養価と必要なカロリーを満たした食事を取れるように環境を改善。一日、5000カロリーを目標に食事改革をしてきた結果、体重が筋量を8キロは増加。昨年の世界選手権では、100m平泳ぎ、100mバタフライの同クラスの2種目で金メダルを獲得していた。