工藤百華が319ヤードでドラコン女王「モットーは『楽しくやる、気の向くままに』」/サンスポ女子アマ
TOMAS CUP 第41回全日本サンスポ女子アマゴルフ選手権(12日、静岡カントリー浜岡コース&ホテル小笠コース1番ホール)本戦の第1ラウンドの後に「女子アマドラコン日本一決定戦」が行われ、工藤百華(ももか、16)=愛知・中京大中京高2年=が歴代2位の記録となる319ヤードで優勝した。世界屈指の飛ばし屋、ダスティン・ジョンソン(米国)に憧れる16歳が会心の一打を放った。本戦は2年前のドラコン覇者、滝澤里菜(19)=大阪学院大1年=が68で回り、単独首位でスタートした。 ビッグドライブが飛び出した。打ち下ろしの小笠コース1番ホールで、工藤は2打目に319ヤードをマーク。2年前に滝澤が出した323ヤードに迫る、史上2番目の記録で優勝した。 「リラックスして打てた。自分のモットーは『楽しくやる、気の向くままに』。(感触も)悪くなかったです」 明るい性格で、打つ前にティーグラウンドで意気込みを問われると、「おなかがすきました」。見つめた他の選手と保護者らを笑わせた。1打目は大きく左に曲げて記録なしだったが、すぐに気持ちも切り替えた。 中学時代に、元世界ランキング1位の宮里藍さんの現役時代を支えたピア・ニールソンとリン・マリオットが提唱したゴルフ哲学「ビジョン54」を熟読。以前は焦りやすい性格だったが「ここに打ちたくないではなく、ここに打ちたい」とポジティブ思考になった。 東京・練馬区出身だが、育ちは名古屋市。小学4年でゴルフを始めた当時から200ヤードを飛ばしていた。自らを「飽き性」と称し、空手、ダンスなどの習い事に励んできた中、今でも熱中しているのがゴルフだ。憧れは世界屈指の飛ばし屋、ダスティン・ジョンソン(米国)。現在は愛知・中京大中京高2年で、来年のプロテスト合格を目指している。 現在のヘッドスピードは秒速48~50メートルほど。ドライバーショットで、ボールを上からたたき気味になる癖があり「下から、遠くから(打つ)の方がクラブヘッドが軽く感じる」と、ヘッドは右つま先の前を通過させることを意識している。また「昔からの癖で、一番の私のスイングの強み」と語るのが左足の動き。スコッティ・シェフラー(米国)や畑岡奈紗らがそうしているように、つま先を開いてずらしながら、飛び跳ねるようにインパクトする。この動きで腰の回転が良くなり、ヘッドスピード向上につながっている。 本戦は7オーバー、79で86位と出遅れた。だが「うまくいかなかったところも、楽しめるようにしたい」と力を込めた。自慢の飛距離で、工藤が本戦でも上昇する。(阿部慎)
■工藤 百華(くどう・ももか) 2007(平成19)年12月1日生まれ、16歳。東京・練馬区出身。10歳でゴルフを始める。名古屋市立富田中を経て、中京大中京高。21年「中部ジュニア」6位。家族は父・和明さん、母・馨さん。163センチ。