「ウィキッド」「グラディエーターII」大ヒット! 北米の興行成績が回復【全米映画ランキング】
北米映画市場は数週間にわたり興行成績が伸び悩んでいましたが、11月第4週に記録的な成功をおさめました。2本の大作映画が興行収入を伸ばし、市場全体の累計興収は、2024年で2番目に良い数字となっています。 【動画】「ウィキッド ふたりの魔女」特報 首位は、不朽のミュージカル「ウィキッド」を映画化した「ウィキッド ふたりの魔女」(ユニバーサル)。シンシア・エリボが後の“悪い魔女”エルファバ、アリアナ・グランデが後の“善い魔女”グリンダを演じました。 魔法と幻想の国・オズにあるシズ大学の学生として出会ったエルファバとグリンダは、寄宿舎で偶然ルームメイトに。見た目も性格も全く異なるふたりは、最初こそ衝突し合いますが、次第に友情を深めていきます。 ジョナサン・ベイリーが、同じくシズ大学に通うフィエロ役、ミシェル・ヨーがシズ大学の学長マダム・モリブル役、ジェフ・ゴールドブラムが伝説のオズの魔法使い役を務め、ピーター・ティンクレイジが、ヤギのディラモンド教授の声を担当。ジョン・M・チュウ(「クレイジー・リッチ!」「イン・ザ・ハイツ」)がメガホンをとりました。製作費1億5000万ドルに対し、週末3日間で興収1億1400万ドルを記録。このオープニング興収は、24年に公開された作品のなかで、3番目に良い数字でした。 巨匠リドリー・スコットによる名作映画の続編「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」(パラマウント)は、2位に初登場。前作「グラディエーター」(00)から16年後を描いた物語で、ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、コニー・ニールセン、デレク・ジャコビらが共演しました。 製作費は推定2億5000万ドルで、R指定映画として史上最高額だとみられています。なお「The Times of Malta」誌によると、マルタ政府はマルタで映画を撮影する場合、製作会社に最大40%のキャッシュバックを行う措置を実施しています。マルタで大半が撮影された本作に対しても、マルタ政府から4600万ユーロの払い戻しがあり、これはEUが映画に補助した史上最高額の記録に。週末3日間で興収5500万ドルを記録し、「グラディエーター」のオープニング興収を上回りました。さらに24年に公開されたR指定映画としては、「バッドボーイズ RIDE OR DIE」を上回り、「デッドプール&ウルヴァリン」に次ぐ2番目となっています。 歴史スリラー「Bonhoeffer: Pastor. Spy. Assassin.(原題)」(エンジェル・スタジオ)は、4位にランクイン。ドイツの神学者ディートリッヒ・ボンヘッファーが、ヒトラー暗殺を企てたとしてナチス・ドイツに告発されるさまを描いています。「ハドソン川の奇跡」「博士と狂人」の脚本で知られるトッド・コマーニキ監督がメガホンをとりました。国際ボンヘッファー協会は、本作の宣伝を右翼のプロパガンダだと非難する声明を発表しています。週末3日間で、興収500万ドルを記録しました。