実在しない「阪東橋」が、なぜ駅名に? 実はグルメの宝庫、ブルーライン「阪東橋駅」周辺を歩いてみた
横浜市営地下鉄ブルーラインの駅名になっている「阪東橋」ですが、現在は橋としての「阪東橋」を見ることはできません。 【画像】昭和の雰囲気が残る商店街など…「阪東橋駅」周辺の街並み 横浜市道路局橋梁(きょうりょう)課の資料によると、大通り公園のある場所には以前、吉田川と新吉田川が流れていました。1923年に発生した関東大震災により吉田川・新吉田川に架かる橋梁(きょうりょう)は被災。復興事業で架替えが行われ、1926年に「阪東橋」という橋が新設されました。 その後、1965年に横浜市六大事業が策定され、吉田川・新吉田川の地下部分には横浜市営地下鉄、地上部分には大通り公園の整備が進められます。これに伴い、1973年までに吉田川・新吉田川は埋め立てられることになり、阪東橋も撤去されました。 現在の駅がある場所に阪東橋があったことから、駅名となったそうです。
◆昭和の雰囲気が残る、横浜橋通商店街
阪東橋駅1A出口から東へ200メートルほど進むと、横浜橋通商店街の入り口が見えてきます。 横浜橋通商店街は「いきな下町」をキャッチフレーズにした庶民的な商店街。全長350メートルに及ぶアーケード通りを中心に、生鮮食料品や総菜、日用雑貨を扱う約130の店舗が軒を連ねています。戦前から続く商店街で、今も昭和の雰囲気が残っています。 横浜橋も阪東橋同様、かつて新吉田川に架かっていた橋の名前で、現在は見ることができません。 アーケード通りの真ん中付近の路地には金刀比羅大鷲(おおとり)神社があります。11月の「酉の市」では、縁起物の熊手を買い求める人と露店が通りを埋めつくします。 近隣には、三吉橋通り商店街と医大通りもあり、それぞれ老舗が軒を連ねています。
◆絶品おすすめ! 尾道ラーメンと町中華
筆者のおすすめは、横浜橋通商店街の入口にある「麺や太華(たいか) 横浜橋店」。こちらは、広島県竹原市にある「太華園」の流れをくむラーメン店。看板メニューの中華そば(税込850円)は、本格派の尾道ラーメンです。 鶏ガラがベースのスープに、背脂を散らすタイプ。麺は平打ちのストレートで、デフォルトの具はチャーシュー、メンマ、青ネギ。この青ネギがこだわりの逸品で、広島県の倉橋島から直送されているそうです。 中華そばとともにおすすめしたいのが炒飯(税込650円)。パラパラで絶品です。 そして、もう1軒のおすすめが、350メートルのアーケード通りを通り抜けた先にある「酔来軒(すいらいけん)」。1940年創業の町中華で、人気ナンバーワンはまかないを改良してメニュー化した「酔来丼」(税込500円)です。ごはんの上に、目玉焼き、ネギ、メンマ、2時間じっくり釜で焼いたチャーシューが乗っています。 メディアにも多く取り上げられている「酔来丼」ですが、チャーシューが増量になる、「スペシャル酔来丼(税込950円)」なる裏メニューが存在します。このメニューが書かれている場所を発見した人だけがオーダーできるので、メニューをじっくりと(ひっくり返して)みてください。