日本の帽子産業を牽引する「CA4LA(カシラ)」の歴史と未来
帽子づくりをいちから学べる環境づくり「マイスター制度」
CA4LAが取り入れた人材育成プログラムに、マイスター制度というものがあるという。この制度は、帽子産業の未来のために必要なものだと秋元さんは言う。帽子業界のトップランナーになると、人材の確保も大変なのではないだろうか。 「人材の育成に力を入れていまして、ショップスタッフから希望者を社内公募して、縫製などをいちから教え、社内のベテラン職人が次の世代の職人候補者を育てる体制ができています。 ショップスタッフとして学べることも多いので、店舗のこととものづくりのこと両方を学び、お客様のニーズを理解したものづくりができる職人が育ってほしいと思っています。 この取り組みが進化してマイスター制度というものをはじめたのですが、将来的には各店舗にマイスターをおいて、修理はもちろん、帽子を作れるスタッフがより専門的なサービスをお客様に提供できるようにしていこうというものです。 この春、1名のマイスターがこの制度で誕生する予定です。帽子づくりは専門職なので、時間がかかる取り組みになるとは思いますが、続けていこうと考えています。表参道のアトリエで帽子作りを学び、年に1回ある試験に合格するとマイスターとして認められるという制度です。 量産を担当する職人とフルオーダーを担当する職人では求められるスキルが異なるので、どの道に進みたいかもそれぞれのキャリアプランに沿って希望できるようになっています」
CA4LAのMade in Japanへのこだわりと、帽子産業を守り未来に繋げていこうという強い姿勢を見ることができた。帽子専門店を身近な存在にしたパイオニアとしての責任をこれからも果たしていくことだろう。