日本人を襲う、南海トラフ巨大地震・富士山噴火「大連動」の最悪の事態
「大連動」はどんな災禍をもたらすのか
国や自治体は、それぞれの大地震や富士山噴火といった被害想定・避難計画の検討を重ねる。だが、はたして一つひとつは「単体」として起きるだけなのか。 富士山の噴火は、南海トラフ巨大地震との連動が指摘される。そして、南海トラフ巨大地震の前後には首都直下地震が発生し得ると警鐘を鳴らす専門家にも私は出会ってきた。とはいえ、それらを総合的に想定したものは我が国には存在していない。 危機管理の要諦が「最悪の事態を想定する」ことにあるならば、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山の噴火という3つの巨大災害がほぼ同時に発生する事態も考慮しておかなければならないだろう。 少し怖く聞こえるかもしれない。だが、これらは決して絵空事とは言えないのだ。実際、我が国には3つが「大連動」した歴史があることは理解しておく必要がある。 それから320年ほど経った今日、高層マンションやビルも林立する都市部で再び「大連動」が生じれば、どのような災禍をもたらすのか。 自然の猛威には国や自治体の「公助」だけで対応できないことは歴史が証明している。一人ひとりの行動と助け合いが被害を最小限に食い止めるためには欠かせないだろう。「自助」「共助」「公助」の3つが組み合ったとき、初めて史上最大の試練を乗り越えることができるはずだ。 つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。
宮地 美陽子(東京都知事政務担当特別秘書)