この文字盤はいったいどうなっているのか? エルメスのアルソー ル タン ヴォヤジャー 文字盤で旅ができる想像力を掻き立てるロマンティックな時計
旅先といわず毎日でも着けていたくなる!
旅行にしていくならどんな時計か? スマートフォンひとつあれば世界各地の時間がひと目でわかる時代だからこそ、エンジン時計委員会はあえてアナログのトラベルウォッチに注目する。4本目の今回は、ユニークな仕組みとグッドセンスな文字盤がとてもロマンティックなエルメスのトラベルウォッチを取り上げる。 【写真7枚】この文字盤、いったいどうなっているのか? エルメス「エルメス アルソー ル タン ヴォヤジャー」の詳細画像をチェック ■文字盤上を、時分針表示ディスクが移動「エルメス アルソー ル タン ヴォヤジャー」 ワールドタイムを思わせるダイアルは、時針と分針を配したディスクが衛星のように移動し、赤いマーカーの指す都市のローカルタイムを示す実にユニークな仕組み。ホームタイムに相当する第二時間帯は12時位置に数字で表示する。背景にジェローム・コリヤールがデザインしたシルクのカレ「乗馬の世界地図」の地図を描くところもエルメスらしいセンス。自動巻き。プラチナ+チタン、ケース直径41mm、3気圧防水。468万6000円。 ◆「毎日身に着けていたくなる」本間恵子 都市名の表示にパリがないが、あわてないように。エルメスが第1店を構えるフォーブル・サントノーレ24番地を表す「24 FBG」がパリを意味する。描かれた地図はかの有名なシルクスカーフ「カレ」のデザインで、コアなファンにとってはこのディテールがたまらない。文字盤のディスクが動くという遊び心もエルメスらしくて、旅先といわず毎日でも着けていたくなる。 ◆「インドア系トラベラーへ」篠田哲生 旅は出かけなくても楽しめる。いわゆるアームチェア・トラベリングというもので、座り心地の良い椅子に腰かけて、本や地図を眺めながら、想像上の旅へと出かけるのだ。現代なら、旅系ユーチューバ―の動画やストリートビューによってさらに精度の高い旅ができるだろう。この時計はそういったシーンに似合う時計。世界を巡る時分表示が、ロマンティックな想像の旅の入り口となる。 (ENGINE2024年5月号)
ENGINE編集部