「ベタ」「オーソドックス」と言われて20年…「格付けチェック」が今年も「元日視聴率」トップの理由
ながら見できる強さ
「他にも、問題をことごとく間違える比嘉を見ていた唐沢が『なんか地雷持ってるな、この子』と呟いたことから、“比嘉地雷”と命名されたのも面白かった。さらに、個人76連勝中の絶対王者GACKTはこの日も全問正解を続けて81連勝にまで伸ばしたものの、相棒のDAIGOと鬼龍院が最終問題のすき焼きで、東京の老舗店、スーパー特売肉、カンガルー肉の三択に、よりによって2人ともカンガルー肉を選んだため、一流芸人だった彼らは一気に“映す価値なし”に転落。GACKTが『バカ舌が!』と吐き捨てるように言うと同時に画面から消え、番組が終了したのも見事でした」 スタジオの隅で椅子に座って「ボクは今日、めちゃくちゃ頑張ったぜ」と憤慨するGACKTに、正座で平謝りの2人の姿も可笑しかった。 「他局の番組ですから台本があるのかどうかわかりませんが、それを感じさせないガチの楽しさが画面から伝わってきます。同業者として“絵に描いた餅”を実現させるスタッフの眼力、シミュレーションを繰り返したであろう努力にも敬意を表せざるを得ません」 なぜそれが人気になったのだろう。 「お酒を飲んだりお節を食べたりしながら楽しく見ることができ、少々目を離しても取り残されることがない、ほどよいダラダラ感、アットホームさも特筆に値すると思います。数字を取るためには“ながら見”できることは鉄則です。また、肉やワインなど味覚の問題は視聴者が答えることはできませんが、今回、出題された弦楽八重奏や生け花、能などは、視聴者も参加して考えることができる。これも人気の理由でしょう。ガチ、ベタ、オーソドックス、楽しく“ながら見”、これこそがテレビの王道なのかもしれません」 デイリー新潮編集部
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