購入したペットが「先天性の病気」でした。病院でかかる「治療費」を購入した店舗に請求できますか?
独立行政法人国民生活センターによると、ペットの健康状態などに関するトラブルの相談件数は、年間1500~1600件ほどで推移しているそうです。 その内容は「購入後に先天性の病気が見つかった」「血統書付きの猫を購入したが、いまだに血統書を送ってもらえない」など、さまざまです。 ここでは、購入したペットが先天性の病気だった場合、治療費をペットショップに支払ってもらえるのかについて解説します。
購入したペットが先天性の病気だった場合の治療費負担は誰が?
購入したペットが獣医師などの診断により先天性の病気と判明した場合は、飼い主はペットショップに対して治療費の負担を求められます。 なぜなら、ペットショップは先天性の病気などがない、健康な状態のペットを引き渡す義務があるからです。 また、ペットショップが治療費の支払いに対応しない場合は、契約を解除したうえで、代金を返金してもらうという選択肢もあります。その際は、ペットはお店に戻すことになります。 このように、購入したペットが先天性の病気だった場合は、基本的にはペットショップ側の責任となり、治療費の支払いや返金などの対応を求めることが可能です。
特約によって責任の範囲を限定している場合も
ただしペットショップによっては、契約書に「治療費の負担は販売価格の30%まで」「交換のみ対応可能」など、特約を定めているケースがあるため、注意が必要です。 とはいえ、特約により責任の範囲を限定している場合でも「どのような理由でも治療費は支払わない」「返金不可」といった、一方的に消費者に不利なものは、消費者契約法の規定によって無効となる場合があります。 ただ、最終的に裁判などの大きなトラブルに発展する可能性もあるため、購入前に契約書をしっかり確認して、不満な点や怪しい点がある場合は、そのペットショップでの購入を避けるほうがベストでしょう。
ペットショップを選ぶ際に確認しておくべきこと
ペットを購入する際は、ペットショップが「動物取扱業」に登録されているかを確認しましょう。 動物を販売するためには、動物取扱業への登録が必須です。なお、登録業者は、ペットの健康状態やワクチン接種の有無など、ペットを飼ううえで必要な情報を対面で説明する義務があります。 動物取扱業に登録されているかどうかの確認方法の例は、以下のとおりです。 ●広告に「登録番号」「動物取扱責任者」「動物取扱業の種別」などが記載されているか ●店内に登録番号や営業の種類、登録期限などを記した標識が掲示されているか ●スタッフは登録番号や営業の登録期限などを記した名札を付けているか 動物取扱業に登録されたペットショップかどうかを確認することで、失敗やトラブルを避けられる可能性を高められるでしょう。