富山・氷見に移住、メロン初出荷 大阪出身の市原さん、速川地区の特産目指す
氷見市に6月に移住し、速川地区でメロン栽培を始めた市原義啓(よしひろ)さん(59)が4日、高岡市場にアールスメロン24個を初出荷した。「ほっとしているが、まだまだこれから」と話し、品質をさらに高めて生産を軌道に乗せたいと決意する。人口減少が続く地区ではサツマイモに続く特産品になり、地域活性化につながることを願っている。 市原さんは大阪府八尾市出身。フリーのシステムエンジニアだったが残りの人生をメロン栽培で勝負しようと転身を決意。いずれは北陸や信州で暮らしたいと考え、2023年度に、いしかわ農業総合支援機構の「いしかわ耕稼塾」で農業全般について学んだ。氷見市田江で空きハウスを見つけて購入し、今年6月に津幡町から同市窪のアパートに移った。 「いちはらメロン農園」と名付け、種から苗を育て、2200平方メートルのハウスで1700株を栽培する。妻を八尾市に残して1人で作業を担う。「ハウス内の片付けから準備、栽培と体力的にきつかった」と振り返る。試行錯誤の1年目になったが今月から、ひみ番屋街など3カ所で直売を始めた。初出荷したメロンは重さ1・3~1・5キロの品質の良い物を選んだ。5日に市場で競りに掛けられ、スーパーに並ぶという。
ハウス購入の際、元の所有者から「氷見に貢献してください」と言われたといい、ふるさと納税の返礼品に登録した。5日は地区の試食会で住民に味わってもらう。出荷や直売に適さない商品は地区の菓子店や飲食店と連携し、加工品にする6次産業化に取り組み、活性化に貢献したいと考えている。 今季は11月末ごろまで収穫を予定している。来季は夏と秋の2回の収穫を目指し、3千~4千株を育てる。市原さんは栽培が軌道に乗れば、妻を呼び寄せたいと思っている。「贈答用として使ってもらえる高品質なメロンを作っていきたい」と話した。