【山口県】復活・再生・生命のヘビ 新しいことの始まりや成長の年に
2025年は巳年(みどし)。脱皮しながら成長するヘビは、「復活」や「再生」、「生命」の象徴とされ、縁起がいいと言われている。 脱皮したヘビの抜け殻は財布に入れておくとお金が貯まるという言い伝えや各地でヘビを神と崇める風習もあり、神秘的な印象を与えている。
ヘビを扱う「月陽爬虫類専門店」
光市虹ケ浜の「月陽(つきあかり)爬虫類専門店」(坂根竜輝代表)では100体ほどの爬虫類が並び、ヘビも複数種類販売している。 ボールパイソン(ボールニシキヘビ)も白いアルビノ、明るい黄色模様のルッソ、模様が細いストライプ状のピンストライプ、青目のブルーアイリューシなど多種多様な品種が揃う。 独特の生態がヘビの魅力だと坂根代表は語る。
舌で匂いを嗅ぐ?
人間は鼻から匂いを嗅ぐが、ヘビは舌に匂い物質を捉える機能があり、嗅覚器官に送って匂いを嗅いでいる。 ヘビがよく舌をチロチロと出しているのは、匂いを嗅いで空間を認識し、周囲の状況把握や獲物を捕獲するためだ。
寒さには弱いヘビ
ヘビは自分で温度調節ができないため寒さに弱く、冬眠して冬を越す。そのためヘビを飼う場合は部屋の温度を26度に保ち、ゲージ内にホットシートを敷いて暖かく保つ必要がある。 冬の仕入れもヘビにとっては危険が伴う。寒さで入荷時には死亡している可能性もあることから、冬はなるべく仕入れをしないようにしているという。
一方、たくましい一面も
尻尾は短く、長い胴体と小さい顔を持つヘビは胴体の何倍もの動物を丸呑みすることができる。海外では鹿やワニなどを丸呑みにし、行方不明だった人の遺体がヘビの体から発見されたという衝撃的なニュースもある。 ヘビは獲物に巻きついて締めつけ、窒息死させて丸呑みにする強靭な筋肉の持ち主。骨の構造も特殊で柔軟な動きができるため、口を大きく開いて体内に取り込むことができる。
一度は全焼した月陽
同店は2022年4月に坂根代表(28)が独立して開業。その年の12月に自身の不注意ではない火事が原因で、一瞬にして全てを失った。 当時は心が折れかけたが、客から大量に寄せられた応援や再開を望むメッセージに励まされ、24年7月に再起を果たした。 現在はエサやり体験などのイベントを開き、次の目標の「爬虫類バー」のオープンに向けて準備を進めている。 復活と再生を連想させるヘビを扱う同店。再起には坂根代表の努力や客たちの想い、さらに縁起の良い何か別の力も加わったかもしれない。