【地方移住STORY】北海道に移住。ワイナリーとジュエリーディレクターを兼業
「ワイン農園は季節によって業務が異なり、ブドウの栽培期間である春からは、朝5時に起きて夕方まで畑仕事をする日々。冬は営業先の飲食店を訪問したり、ワインの醸造・瓶詰めなどをしています。経理業務やラベル貼りといった細かな作業も、チームで得意分野を分担していた会社員時代と違い、すべてが自分の仕事。これまで見て見ぬふりしてきた“苦手”や“できない部分”に向き合う毎日ですが、少しずつ成長する自分を感じられていいなと思っています。去年からは地域おこし協力隊の制度を通じてスタッフが一人増えました」 今、田上さんには密かな夢がある。 「先シーズンから自分のハーブ農園を始めて、今年は野菜も育て始めたいと思っています。というのも、ワイナリーには、畑仕事を体験したいという人が、よく手伝いに来てくれるんです。そういった方が滞在できる宿を作って、農業体験とワイン、あと、体にいい野菜やハーブで作る料理を提供できたら……と妄想中です。北海道に来て、料理が日常になって、食材作りを始めて、理想的な家も建てることができた。移住前は、こんな生活をまったく想像していなかったけれど、今着実にウェルネスな生き方に近づけていると思います。これからさらに生活の質を上げて、心身ともに豊かな暮らしのあり方を、世の中に発信していきたいですね」
取材・原文/海渡理恵 ※BAILA2024年4月号掲載