認知症の介護をラクにする「慣れ」という処方箋
人間は賢い生き物で、適応する力を持っている
同じことを何度も言われたり、突然家を飛び出したり、夜中に何度も起きるといった認知症の症状に、介護者は驚きます。最初は、悲しんだり、イライラしたり、怒ったりして、介護者も落ち着きません。しかし、この症状は1回だけではなく、何度も何度も繰り返されます。1日2日のレベルではなく、数カ月や何年も繰り返されるのです。そんな状況は耐えられないと思う方もいるでしょう、しかし不思議と慣れます。人間には、どんなつらい場面でも適応できる能力が備わっているのです。 ネガティブな認知症の情報は、相変わらず目や耳に飛び込んできます。しかし、同じような状況であっても、笑って楽しく認知症を受け入れて過ごすご家族も多くいらっしゃいます。報道はあまりされませんが、「慣れ」を利用しながら、この局面を乗り切る介護者もいます。ネガティブな情報にどうしても興味を持ってしまいがちですが、意識してプラスの情報を探して中和してあげることも必要です。 認知症介護で困ったら、あらゆるプライドを捨て、素直に「助けて」ということが大切です。また、ネット上には、認知症介護をしている全国の仲間がたくさんいます。近い友人や親族には話しづらいことも、SNSやブログなどのゆるいつながりのある人には、気軽に話すことができます。 認知症ご本人と介護者のWin-winを目指して、少しでも長く穏やかな日々を過ごして頂きたいと思います。ありがとうございました。 【連載】病院では教えてくれない 認知症でもWin-Win介護(介護ブログ「40歳からの遠距離介護」運営・工藤広伸【くどひろ】)