温泉オタク会社員が「白い濁り湯は確かにいいけど黒もサイコー」と語るワケ。「日本一黒いモール泉は青森県の東北温泉。湯底が見えない真っ黒な色湯は迫力満点!」
訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「白濁以外も」です。 【書影】永井さんおススメの温泉がこの一冊に!『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』 * * * * * * * ◆「白くて濁った湯」以外も愛そう 白く濁った温泉は、見た目もにおいも「温泉っぽさ」がピカイチで、とっても人気です。過去には白く濁らせるために、入浴剤を投入してしまった温泉地もあるほど。 でも、濁っていなくてもいい温泉はたくさんありますし、色は一概に「効果」や「成分の濃さ」を測るものではありません。 とはいえ、テンションが上がるのは私も同じ。 温泉来た~って感じがするんですよね。 硫黄のにおいがガンガンして、よく温まって、風情があって、なんだか体中をほぐしてくれる気がするような。白く濁った温泉は、特別感があります。
◆温泉の色はバラエティ豊か でも、せっかくなら、白濁以外もぜひ推してもらいたいです。 茶褐色、深緑色、灰色などなど、温泉の色はバラエティ豊か。 ここでは「黒い温泉」にフォーカスして書いていきます。 白もいいけど、黒もサイコーです。
◆モール泉 黒い温泉はだいたい「モール泉」で、地中の植物成分が染み出た、つるつるした肌触りの、やわらかく心地よい浴感が特徴です。 草っぽい、土っぽいにおいがすることも。色は真っ黒からウーロン茶ほどのあっさりしたものまで様々です。 美肌の湯として知られていて、体がずぶりと黒い湯に浸かって見えなくなるのは、何度やってもちょっと不思議な感覚です。 モール泉は各地で見られますが、「温泉地」として栄えているのは北海道・十勝川温泉が一番の有名どころ。 さっぱり軽やかなモール泉をいただいた後に、帯広の豚丼をかきこんで……と、爽快感のある旅行がかないます。 ちなみに、東京・蒲田などに湧いている温泉も、このモール泉です。
◆日本で一番黒いモール泉 余談ですが、日本で一番黒いモール泉は、青森県の下北半島の根っこにある「東北温泉」です。 湯底がまったく見えない、真っ黒な色湯は迫力満点。 つるつるすべすべなモール泉がドバドバとかけ流されていました。 地元の温泉銭湯といった雰囲気ですが、県外ナンバーや外国人観光客も見られる人気のスポットです。 色湯は見た目から楽しめるすばらしい温泉です。 温泉旅行ビギナーは、まず色湯を目指して旅行するとテンション上がること間違いなし。 ※本稿は、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
永井千晴
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