英・郵便局冤罪事件 ドラマ題材となり世論の注目を集める
富士通幹部「補償に貢献する道義的な責任ある」
飯田)全体の賠償額は1800億円ぐらいになるという見通しもあり、税金で弁済するということです。 佐々木)民事で裁判されたら、さらに巨額になる可能性もあります。しかもテレビドラマを放映してから、「うちも被害が起きている」と告発する人が100人ぐらい増えているというような話もあります。今後、どこまで広がるのか予想がつかないですね。 飯田)富士通本社の執行役員で、欧州地域の責任者であるポール・パターソン氏が議会で証言し、「冤罪の被害者の補償に貢献する道義的な責任がある」と明言しています。さすがに一義的には納入した運営会社の責任になりますものね。 佐々木)当時、システム側の責任だということをなぜ突き止められなかったのか。現時点では、まだわからないことが多すぎる気がします。 飯田)全体を統括する会社の体質はどうだったのか、など。
金融系の巨大システムを維持するのは大変な作業
佐々木)事情は違いますが、みずほ銀行のシステム不具合を思い出します。やはり金融系の巨大システムを維持するのは大変だし、1回ミスが起きると、修復するのはさらに大変だということがよくわかりますよね。 飯田)ベンダーがつくってはいるけれど、会社側からの指示があり、そこでぶつかって現場が我慢させられるような。 佐々木)システムをコンピューターで管理するようになって半世紀ぐらい経つわけですが、システムが古くなると、硬直化して巨大化していき、解消するのが難しくなってくる。それがどこの国でも起きているのだと思います。本当はいまぐらいの時期に、0からつくる方がいいのかも知れませんが。銀行のシステムでも新しいところは動きが早いし、UIも優れていて使いやすい。古いシステムはUIも古臭いし、障害も起きてよく止まります。IT化を進める上で、避けては通れない問題がたくさん起きていますが、今回の問題もその1つだと思います。