【スプリンターズS】キャラクターは正反対?侮れない刺客2頭 香港調教馬として3頭目の優勝へ虎視眈々
【TPC秋山響の海外競馬解析】29日のGⅠスプリンターズSには香港からビクターザウィナー(セン6・Cシャム厩舎)とムゲン(セン6・Pン厩舎)の2頭が参戦。香港調教馬としては2005年のサイレントウィットネス、10年のウルトラファンタジーに続く3頭目の優勝を目指す。 ビクターザウィナーはテンのスピードが最大の魅力。1月のGⅠセンテナリースプリントC(芝1200メートル)を逃げ切り、3月のGⅠ高松宮記念でも3着に敗れたとはいえ、非凡なスピードを見せた。 帰国後の2戦は凡走したが、シーズン末でピークは過ぎていた感もあるし、前走のGⅢシャティンヴァーズ(6着)はトップハンデの135ポンド(約61キロ)を背負ってのもの。リフレッシュされて迎える今回はガラリ一変での粘り込みがあって驚けない。シーズン初戦(香港は9月に開幕して、翌年7月に閉幕)は2戦2勝と休み明けにも強い。 一方のムゲンはビクターザウィナーとは対照的に後方からの強烈な差し脚が武器。4月のGⅠチェアマンズスプリントプライズで最後方から追い込んで3着好走(ビクターは7着)。その後、GⅢシャティンヴァーズは伸びあぐねて4着(斤量が20ポンド重いビクターが6着)だったが、続く前走のGⅢプレミアC(芝1400メートル)では20ポンドの斤量差があったとはいえ、香港マイルやアルクオーツスプリントなどGⅠ3勝のカリフォルニアスパングルを直線で捕らえて優勝した。 追い込み馬だけにフルゲート16頭(香港は14頭)での競馬が課題だが、前走を含めこれまでのレースを見ると馬群に突っ込んで闘争心が沸き立つタイプ。こちらも侮れない存在になる。
東スポ競馬編集部